路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・12.25】:【臨時国会閉幕】:丁寧な運営につなげよ

2024-12-27 05:05:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.25】:【臨時国会閉幕】:丁寧な運営につなげよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.25】:【臨時国会閉幕】:丁寧な運営につなげよ

 少数与党下での国会運営は強引さが後退した。重要なのは与野党が審議の質を高め、政策に反映させることだ。数合わせに陥らず、丁寧な取り組みが求められる。
 臨時国会が閉幕した。石破茂首相の初の本格論戦は、対立を回避する姿勢が色濃かった。
 衆院選で与党過半数割れの要因となった「政治とカネ」問題は、改正政治資金規正法を含む政治改革関連3法が成立した。使途公開不要な政策活動費を全面的に廃止する。政治資金を監査する第三者機関を国会に設置するほか、政治資金収支報告書のデータベース化などを進める。
 自民党は政活費の支出先を非公開にできる法案を提出したが、野党の反発で断念した。結局、野党7党が提出した法案や公明党と国民民主党が共同提出した法案を受け入れた。
 一方で自民は企業・団体献金禁止は拒み、公開による透明性向上が重要だと主張した。禁止を求める立憲民主党や日本維新の会と対立し、与野党は来年3月までに結論を得ると申し合わせた。着実に取り組まなければならない。
 設置する第三者機関の権限も具体化はこれからだ。独立性を維持しながら実効性のある対応ができる組織となるかが焦点となる。
 また、国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)改革のための改正歳費法が成立した。使途公開や残金返納を義務付ける。見直しを求める世論が高まって3年以上を要した。公開方法などはこれから検討される。透明性をいかに高めるかが問われる。
 2024年度補正予算は、28年ぶりとなる予算案提出後の修正を経て成立した。歳入の約半分を国債が占め、財政運営は厳しい。施策の緊急性などが問われたが、審議が深まったとは言い難い。
 採決では「年収の壁」引き上げで国民民主、教育無償化の協議開始で維新を取り込んだ。だが、年収の壁の引き上げが25年度の税制改正の焦点となる中、自民、公明は態度を硬化させ、国民民主との協議は妥協点を見いだせなかった。
 強気の国民民主より、維新との連携意欲がちらつく。与党は国民民主との合意内容を与党税制改正大綱に書き加えて枠組み維持を狙うが、先行きは流動的だ。
 とはいえ、手取り増加と税収減少をどの水準に求めるのかは重要な論点であることは間違いない。今回の議論は広がりを欠いた。有効性や財源からの検討を重ね、暮らしの安心を高める必要がある。
 来年の通常国会は、夏に参院選を控え野党が攻勢を強めることは必至だ。25年度予算案を巡り、国民民主は自公との3党協議で納得できる結論が得られなければ対応を考えるとけん制している。
 自民派閥裏金事件に関する政治倫理審査会での審査は来年も引き続き行われる見通しだ。真相は解明されていない。政治改革に取り組む姿勢に厳しい視線が向けられている。それを意識することが重要だ。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月25日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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