【金口木舌・01.04】:箱根に吹いた南風
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・01.04】:箱根に吹いた南風
関東の大学のトップ選手が集う箱根駅伝は、全国的には新春の風物詩とも言える伝統の大会。これまでは県内の注目度は今ひとつだったが、今回は違った
▼沖縄の出身選手が6人もエントリーしたからだ。生中継をする地上波テレビ局がない中、どうにか彼らの活躍を見ようと、多くの県民がネットを検索したのではないか
▼3冠が懸かる国学院大は上原琉翔(りゅうと)選手に9区を託した。上原選手は大きなスライドで走り順位を上げた。後半に失速したが、中継地点の直前に再び盛り返した。優勝を逃したものの、上原選手の序盤の快走と終盤の力走が、国学院大の底力を印象づけた
▼国学院大の嘉数純平選手、日大の大仲竜平選手、専修大の具志堅一斗(いっと)選手も出場した。悔いを残した選手もいるだろうが、いずれも大学トップ選手には違いない。遠く離れた東京―箱根間に南風が吹いたようで誇らしい
▼「長距離不毛の地」という沖縄の風評をも吹き飛ばすような活躍だった。彼らのたすきは、沖縄の未来を担うこどもたちや指導者にもつながったはずだ。沖縄から日本の長距離界に旋風を巻き起こす日も遠くない。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2025年01月04日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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