【筆洗】:<奈良七重七堂伽藍(がらん)八重桜>は松尾芭蕉。<山又山山…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:<奈良七重七堂伽藍(がらん)八重桜>は松尾芭蕉。<山又山山…
<奈良七重七堂伽藍(がらん)八重桜>は松尾芭蕉。<山又山山桜又山桜>は阿波野青畝(あわのせいほ)。いずれも漢字だけで作った俳句である
▼並んだ漢字が満開のサクラの木のように見えてくるところもあるが、こうも漢字ばかりだとどうも重いし、少々、読みにくい
▼商品名のネーミング方法を教える本によると漢字は意味を伝えやすい一方、文字のイメージとして堅苦しいそうだ。逆に高級感はないが、親しみやすく、やさしいのが平仮名だという
▼新省庁の名は親しみとやさしさを優先したか。子ども関連政策の司令塔となる「こども家庭庁」である。「子供」でも、「子ども」でもなく、「こども」。平仮名の入った中央のお役所の名は珍しい
▼子どもの意見を聞き、政策に反映するという庁であり、子どもに分かりやすく平仮名を選んでいるのだろう。「こどもがまんなかの社会を実現する」。そのキャッチフレーズに期待する一方、従来の縦割り行政を乗り越え、子どものために迅速な仕事ができるかどうか。相手にするのは堅苦しい漢字の並ぶ名の「文部科学省」であり「厚生労働省」かもしれぬ
▼全省庁に必要な対応を求められる「勧告権」の強みを生かし、子ども政策をリードしたい。求められるのは迅速な成果である。少子化、いじめ、虐待、自殺。挑む課題は手ごわい。この試みを「子どもだまし」や「子どもの使い」にしたくない。
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】 2023年04月05日 06:34:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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