路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【筆洗】:『桐島、部活やめるってよ』などの作家、朝井リョウさんが不思…

2024-02-28 07:18:30 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【筆洗】:『桐島、部活やめるってよ』などの作家、朝井リョウさんが不思…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:『桐島、部活やめるってよ』などの作家、朝井リョウさんが不思…

 『桐島、部活やめるってよ』などの作家、朝井リョウさんが不思議なことを書いていた。小学生のとき、「花粉症にあこがれていた」-

 ▼朝の点呼で先生から健康状態を聞かれる。このとき、誰かが「花粉症です」と答えるのがどこか、「ト・ク・ベ・ツ☆」で「たまらなくかっこよく聞こえていた」そうだ。花粉症になるため、何かの花の花粉を吸い込む努力までしていたと告白している

 ▼この数字を見れば、かつての朝井少年も花粉症を「ト・ク・ベ・ツ☆」とはもはや思わないだろう。ロート製薬が子どもの親御さんを対象にアンケートをしたところ、今や、小学生のほぼ半数が「花粉症を実感している」そうだ

 ▼クラスの半数が鼻をクシュクシュさせ、クシャミをしている気の毒な光景を思い浮かべてしまう。0~16歳の子どもでは、「病院で花粉症の診断を受けた」「多分花粉症だと思う」の回答が合わせて42・6%。10年前から約10ポイント増という

 ▼花粉症が社会問題といわれ、久しいが、その勢いが止められない。現在の小学生の子どもが発症した年齢は平均で5・8歳と聞いてかわいそうになる。大人でもつらいのに、そんな小さなころから目のかゆみや鼻水に苦しんでいるとは。学習や運動にも差し障りがあろう

 ▼なんとかしたい。このペースでいくと、間もなく、花粉症ではない子の方が「ト・ク・ベ・ツ☆」になる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年02月27日  07:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【視点】:校長免職と裏金事件 コーヒー1杯分の重み 論説委員・竹内洋一

2024-02-28 07:18:20 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【視点】:校長免職と裏金事件 コーヒー1杯分の重み 論説委員・竹内洋一

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点】:校長免職と裏金事件 コーヒー1杯分の重み 論説委員・竹内洋一

 コーヒー1杯は、かくも重かった。

 兵庫県教育委員会は1月、コンビニのセルフコーヒーを支払った額より多く注いだとして、高砂市立中学校の男性校長(59)を懲戒免職にした。
 県教委によれば、校長は昨年12月21日、市内のコンビニでレギュラーサイズのコーヒー(110円)を買い、機械でラージサイズ(180円)を選んでカップに注いだ。店員が警察に通報した。
 県警は任意で捜査し、検察庁は不起訴(起訴猶予)とした。コーヒー1杯、レギュラーとラージの差額70円分の窃盗なら、刑事責任を問うに値しないと判断したのだろう。だが、社会的責任からは逃れられなかった。
 校長は県教委の聞き取りに同様の行為を以前にも6回したと認めたという。県教委は「教育公務員としてふさわしくない」と断じた。校長は地位も、間もなく手にするはずだった退職金も失った。
 処分が厳しすぎるとの意見もあろうが、これが一般社会の現実である。誰もが法令順守の徹底を求められる。
 自民党派閥の政治資金パーティー収入からの還流を政治資金収支報告書に記載しなかった議員は85人に及んだ。うち刑事責任を問われたのは3人。校長の懲戒免職と並べた時、法律に違背した議員の大多数が政治責任を取らずに職にとどまる永田町の景色は、醜悪というほかない。
 裏金議員は全員が辞職に値する。違法と知りつつ裏金に手を染めるような手合いには立法を任せられない。違法性を認識していなかったなら議員たる資質と能力を欠く。
 とはいえ、潔く身を処する人物であれば、そもそも裏金づくりなどするまい。保身は人の常だ。2千万円超の年収と特権的な手当は手放したくなかろう。脱税との批判を真摯(しんし)に受け止め、自ら修正申告した例も聞かない。
 逃れようのない結果に直面させる手段はある。件(くだん)の校長が地方公務員法に基づき、いや応なく馘首(かくしゅ)されたように。次期衆院選は来年秋までに、参院選は同年夏に行われる。選挙が自由かつ公正である限り、有権者の多数が望む結果が導き出される。
 話はコーヒーに戻る。裏金議員も党を介して受け取る政党交付金は毎年300億円超が税金から支出される。国民1人当たり年250円の計算で、導入が決まった1994年当時は「コーヒー1杯分」の負担と言われた。
 その際、企業・団体による政治家個人や政治団体への寄付は禁じられたが、パーティー券を購入して実質的に献金する抜け道は残り、裏金事件の温床になった。裏金議員はコーヒー1杯分の重みを忘れていたに違いない。
 私たち有権者はどうか。気前よく政党交付金を負担しつつ、ほぼ半数が国政選挙で棄権した結果、自民党の腐敗を見過ごしてこなかったか。自問しながら飲むコーヒーは、かくも苦い。
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】  2024年02月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:NHK議事録 経営委への不信が募る

2024-02-28 07:17:50 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌】

【社説①】:NHK議事録 経営委への不信が募る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:NHK議事録 経営委への不信が募る

 かんぽ生命保険の不正販売報道を巡り、NHKの経営委員会が当時の会長を厳重注意した議事の録音データを開示するよう東京地裁が命じた。放送法は経営委による個別番組への介入を禁じる。NHK側は速やかにデータを開示し、全貌を明らかにすべきだ。

 NHKは2018年に放送した番組で、かんぽ生命が高齢者に不適切な販売をしていた実態を報道し、交流サイト(SNS)でも情報提供を求める動画を流した。
 
 これに対し、日本郵政グループはNHKに「犯罪的営業を組織ぐるみでしている印象を与える」と抗議。NHK経営委も当時の上田良一会長を呼び出して厳重注意し、当時、委員長代行だった森下俊三委員長は経営委で「取材は極めて稚拙」などと発言していた。
 
 しかし、厳重注意は経営委員の番組介入を禁じる放送法違反の疑いが持たれた。同法は経営委に議事録公開も義務付けているが、経営委は当初、公表せず、第三者機関の答申を経て開示された議事録は「整理、精査していない『粗起こし』」に過ぎなかった。
 
 そのため、議事録や録音データの開示を求める訴訟が元NHK職員らによって起こされた。
 
 そもそも正式な議事録の作成を終えていない段階で録音データを消去するはずはない。東京地裁は削除されたと認められる証拠はなく「NHK役職員が現時点でも保有している」と判断した。
 
 さらに判決は、森下氏が19年に国会内でのヒアリングに対応する過程で、データの存在を認識したと認定。それでも開示の措置を取らず「原告らの文書開示請求権を侵害した」と指摘し、開示義務を怠ったことを不法行為ととらえて損害賠償も認めた。
 
 原告側は「議事録隠しの動機は放送法が禁じる違法な番組への介入を隠蔽(いんぺい)することにあった」とも見ている。録音データの開示を命じる判決は「画期的」だ。
 
 日本郵政グループからの圧力に経営委が同調したことだけでも、公共放送の独立性を疑うには十分であり、その時点で森下氏の進退も問われるべきだった。違法な番組介入をし、それを隠し続けようとした経営委の一連の振る舞いには不信感が募るばかりだ。
 
 NHKは司法が命じた録音データの開示に速やかに応じ、くすぶり続ける番組介入の有無を巡る問題の解明が進むことを望みたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月26日  07:41:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:米作家、チャンドラーのハードボイルド小説の名作『さらば愛し…

2024-02-28 07:17:40 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【筆洗】:米作家、チャンドラーのハードボイルド小説の名作『さらば愛し…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:米作家、チャンドラーのハードボイルド小説の名作『さらば愛し…

 米作家、チャンドラーのハードボイルド小説の名作『さらば愛しき女よ』。原書の中にこんな表現があった。「high pillow」

 ▼直訳すれば、高い枕。うん?となる。探偵マーロウと警部補の宝石強盗団をめぐる会話の中に出てくる

 ▼村上春樹さんの翻訳による『さよなら、愛しい人』(早川書房)で確認する。「どっかのちんぴらが、黒幕のために罪をかぶらされたんだ」。なるほど、「黒幕」の意味なのか。日本で高い枕といえば、昔の殿様や武士を連想するが、あちらの国では高い枕ですやすやと眠るのは権力を握ったボスや黒幕のイメージがありそうだ

 ▼マーロウではなく、高い枕がどうやら脳卒中の「黒幕」の1人らしいとつきとめたのは国立循環器病研究センターのグループである。発表によると高すぎる枕が脳卒中の一因となる「特発性椎骨動脈解離」を発症させるリスクがあるそうだ

 ▼グループでは「殿様枕症候群」(ショーグン・ピロー・シンドローム)と呼び、適切な枕を選ぶよう提唱している。高く硬い枕が首への圧力を高め、首の後ろの血管を傷めてしまうらしい。何の心配もなく眠る「枕を高くして寝る」とは正反対の話である

 ▼グループによると頭をのせない状態で12センチ以上の枕は「高い」そうだ。寝っ転がってスマートフォンをいじるには高い枕は具合がいいが、「黒幕」とは手を切りたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年02月26日  07:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ぎろんの森】:長期政権、交代のススメ

2024-02-28 07:17:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【ぎろんの森】:長期政権、交代のススメ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ぎろんの森】:長期政権、交代のススメ

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、国会で政治倫理審査会が今週開かれる見通しとなりました。

 東京新聞は21日の社説「裏金の実態解明 先延ばしは許されない」で「裏金事件の実態解明が遅々として進んでいない。国民の信頼回復は政策推進の前提にもかかわらず、岸田文雄政権は党内調査に時間を費やし、政治倫理審査会の開催も先延ばしにしている」「裏金づくりの実態解明はもちろん、再発防止策の立法化に向けた与野党協議も急務だ。これ以上の時間稼ぎは許されない」と指摘していましたのでようやくといった感じです。
 
 読者からは「(自民党政権が)裏金の実態解明などするわけがない。説明させたところで何も変わらない。政治の仕組みを変え、カネのかからない政治にするしかない」と厳しい意見が届きます。
 
 まったく同感です。政倫審は実態解明の第一歩に過ぎません。企業・団体献金の禁止や、政策活動費の廃止や使途公開などの規制強化に加え、政治にお金をかけないようにしなければ、政治とカネの問題は何度も起きるでしょう。
 
 では、どうすれば? 一案として思い付いたのが政権交代です。衆院選で敗北し、政権から転落すれば政党交付金(助成金)が減らされます。
 
 例えば、2009年の政権交代で下野した自民党が10年に受け取った交付金は前年から36億円以上減りました。12年に政権から去った旧民主党の13年の政党交付金は前年比79億円以上の減額です。
 
 政党交付金を受け取っていない共産党は別にして、多くの政党本部の収入の6~8割は政党交付金が占めます。
 
 選挙に負けて政党交付金が減らされれば、どうすれば政治にお金をかけなくて済むのか考えざるを得ない状況に追い込まれるというわけです。なぜ政権を追われたか、反省する機会にもなります。そして、それを決めるのは私たち有権者自身です。
 
 長期政権は政治腐敗の元凶です。政権交代は政治資金だけでなく、政治の在り方をも変える妙案だと考えますが、いかがでしょうか。(と)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【ぎろん森】  2024年02月26日  07:41:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える ガードレールは頑丈か

2024-02-28 07:16:50 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【社説①】:週のはじめに考える ガードレールは頑丈か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える ガードレールは頑丈か 

 英人気歌手アデルさんの『アイ・ドリンク・ワイン』という曲にこんな一節があります。<この狂った時代に、何かしがみつけるものをみつけたい。だって、内実のあるもの、本当のもの、真実だと感じられる何かが、私の人生には必要だから>
 基本的にはラブソングのようですし、その歌詞に「フェイク(虚偽)」が横行し、これだけは真実だとしがみつける確かなものが失われつつある現代社会への不安が投影されている、と言ったら穿(うが)ち過ぎかもしれません。

◆機能した米司法システム

 でも何となく、トランプ前米大統領が、現在に至るまで体現し続けている「ポスト真実(トゥルース)の政治」を連想するのです。事実や客観的データなどお構いなし、個人の感情や思い込みを訴えて世論を動かす-。要は、本当も真実も押しのけて作り話や誤った情報がまかり通るということ。この曲を含むアルバムが出たのは2021年秋ですが、その年の1月には米国でまさに<狂った時代>を思わせる事件も起きています。
 
 「大統領選に不正があった」と根拠なく主張して結果を認めない前大統領に煽(あお)られる形で、熱狂的支持者らが連邦議会議事堂を襲撃した、あの事件です。あの日、世界が目撃したのは、前大統領が振りまく「ポスト真実」のエネルギーが極限まで高まり、暴力の形で民主主義の象徴に襲いかかった、何ともおぞましい光景でした。
 
 『グッド・ファイト』という米ドラマにも、リベラル派の弁護士らが事件を伝えるテレビを見ながら愕然(がくぜん)とするシーンがあります。「もうめちゃくちゃだ」と嘆く一人に、別の一人が「いい面も見えた」と言って、トランプ氏支持者らによる何十件もの選挙不正の訴えが、ことごとく退けられていることを挙げ、こう続けます。「ガードレールは今もしっかりしている。司法システムは機能した」
 現職大統領がああまで圧力をかけても、根拠のない訴えは司法が退けている。それを「ガードレール」と呼んだわけです。
 
 もしかすると、ドラマの脚本家が米政治学者スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット両氏の共著『民主主義の死に方』を読んでいたのかもしれません。

 ◆政治権力には屈しない

 立派な憲法があっても、それだけでは民主主義を守り抜けないと同書は言います。「対立する相手を敵と決め付けない」「法に反しないからといって何をしてもいいとは考えない」から「大統領は噓(うそ)を言わない」といったことまで、実に多くの社会規範、不文律、慣習が民主主義を支えているとし、それらを「ガードレール」と呼んでいるのです。
 
 ドラマの弁護士が言うように、「司法システムは政治権力に屈しない」もしかり。同志社大の吉田徹教授も、月刊誌の対談で、レビツキー氏らの指摘を紹介しながら「アメリカには徹底した三権分立というガードレールがあったからこそ、あと一歩のところで踏み留(とど)まれた」と述べています(『中央公論』1月号)。
 
 しかし、過日の社説でも同僚が書いていましたが、多数派宗教至上主義に傾斜した宰相に、司法までが迎合し、深刻な民主主義の後退を招いているインドのような例もありますし、わが国にも、「気配」がないわけではありません。
 
 最近なら、昨年9月の最高裁の判断が一例。2017年に当時の安倍晋三内閣が、野党からの臨時国会の召集要求に3カ月以上、応じなかったのは憲法違反だと訴えた訴訟で、原告の野党議員らの上告を退けました。憲法の規定に則(のっと)った要求にはいわば自動的に応じるのが筋です。なのに延々引き延ばし、実に98日後にやっと国会を開いたと思ったら冒頭で解散。野党側は首相の「森友・加計」疑惑を追及する貴重な討議の時間を奪われました。
 
 「内閣は合理的期間内に召集する法的義務を負う」「20日あれば十分」と棄却に反対した判事もいましたが、1人だけ。議会制民主主義が「道」をはずれたことをとがめないで、どうして<ガードレール>と呼べるでしょう。

 ◆民主主義の「逸脱」防げ

 まるで、確かなるべき大地が揺らぐ地震の恐怖のように、「ポスト真実」の時代に、私たちが感じているのは何とも言えぬ足元の覚束(おぼつか)なさです。換言すれば、これだけは、という確かなものがこうまで求められている時代もない。
 
 それに応える主要なものの一つが司法システムなのだということを、すべての司法関係者は肝に銘じておいてほしいと思います。政治が、民主主義にさらに深刻な逸脱をもたらそうとするとき、びくともしない<ガードレール>がなければ困るのです。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月25日  07:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:永井荷風に「震災」という詩がある。「われは明治の兒(こ)な…

2024-02-28 07:16:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【筆洗】:永井荷風に「震災」という詩がある。「われは明治の兒(こ)な…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:永井荷風に「震災」という詩がある。「われは明治の兒(こ)な… 

 永井荷風に「震災」という詩がある。「われは明治の兒(こ)ならずや。/その文化歴史となりて葬られし時/わが青春の夢もまた消えにけり。」-
 ▼震災とは1923(大正12)年の関東大震災。荷風は震災が江戸の残映や風情までも奪ってしまったと嘆いている。「江戸文化の名残烟(けむり)となりぬ。/明治の文化また灰となりぬ。」。荷風の慟哭(どうこく)が伝わってくる
 ▼設立のきっかけはその大震災だった。25日で発足100年の節目を迎える落語協会である。震災で寄席が焼失。落語文化の危機の中、東京の落語家が「大同団結」を図った
 ▼そこから1世紀。協会と落語は戦争や貧困の時代も乗り越え、テレビ・ラジオやネットなどの娯楽のライバルたちとの競争にも生き残った
 ▼変化との闘いでもあっただろう。100年前とは言葉も暮らしも大きく変わった。「へっつい」(かまど)を知らぬ世代に「へっつい幽霊」を語るのは難しかろう。廓(くるわ)、花魁(おいらん)と口にすれば気を悪くする人もいる時代である
 ▼それでも落語が生き延びたのは噺(はなし)の中に生きる住人たちの魅力に他なるまい。ケチ、意地っぱり、見えっぱり。人の本質を隠さぬ笑いと情の世界は複雑な「今」を生きる者も楽しませ、慰めている。荷風の惜しんだ江戸文化の「烟」。その烟がかすかとはいえ令和の寄席にもただよっているのがありがたい。さて次の100年。烟の無事を祈る。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年02月25日  07:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政府】:高市早苗担当大臣も「まだ分からない」連発なのに…「経済安保情報保護法案」を閣議決定 識者の見方は?

2024-02-28 06:10:50 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【政府】:高市早苗担当大臣も「まだ分からない」連発なのに…「経済安保情報保護法案」を閣議決定 識者の見方は?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:高市早苗担当大臣も「まだ分からない」連発なのに…「経済安保情報保護法案」を閣議決定 識者の見方は? 

 政府は27日、国が指定した経済安全保障上の機密情報を扱う人を認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の導入を盛り込んだ「重要経済安保情報保護・活用法案」を閣議決定し、国会に提出した。今国会での成立を目指す。国民の知る権利やプライバシーが侵害される恐れがある法案だが、どんな情報が機密情報に指定されるか基準がはっきりせず、指定の適切性をチェックする国会の関与もない。政府の恣意(しい)的な運用への懸念が残る。(川田篤志)

◆「情報」を漏えいすれば最長5年の拘禁刑

 法案は防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野の情報保全を目的にした2014年施行の特定秘密保護法の「経済安保版」。同様の制度がある欧米各国と足並みをそろえることで、当局間の情報共有や、関連技術を巡る企業間の国際共同開発の推進を目指す。
 
 政府はインフラや重要物資のサプライチェーン(供給網)に関して国が保有する情報のうち、漏えいすると安全保障に支障がある恐れがあるものを「重要経済安保情報」に指定。インフラ保護などを行う企業や研究機関で政府の基準を満たした「適合事業者」の従業員らは、適性評価で認定されれば情報提供を受ける。
 
 
 情報を漏えいすれば、最長5年の拘禁刑が科されるが、何が「重要経済安保情報」に当たるのかの基準はあいまいなままだ。法案を担当する高市早苗経済安保担当相は27日の記者会見で、具体例や想定される指定件数について「まだ分からない」と繰り返した。

 ◆重要経済安保情報 国民生活や経済活動にとって重要なインフラや物資のサプライチェーン(供給網)に関し、(1)外部行為から保護する措置や研究(2)脆弱(ぜいじゃく)性や革新的技術(3)保護措置について外国や国際機関から収集した情報-などのうち、公になっておらず、漏えいが国の安全保障に支障を与える恐れのあるもの。指定期間は5年以内だが、30年まで延長でき、さらに内閣の承認があれば60年まで延長できる。

 ◆飲酒の節度も犯罪歴も家族の国籍も調べられる

 適性評価は、本人の同意の上で、飲酒の節度や経済状況、犯罪歴のほか家族の国籍などを調べられ、公務員のほか、民間企業の従業員も幅広く対象となるが、どれほど膨らむか「積算は現時点で難しい」(政府関係者)という。
 
 情報の指定や解除、適性評価の認定基準は、同法成立後に政府が定めるため、法案審議を通じても明らかにならない恐れがある。さらに、指定や適性評価の実施状況は国会に報告されない。適切かどうかの監視は内閣府の独立公文書管理監が担うが、行政組織内でのチェックにとどまる。
 
 政府はこれまで与党に対し、指定されるのは政府が保有する情報に限るとしてきたが、民間事業者が独自に発見したサイバー攻撃に関する情報などが国に提供されれば、対象になり得るとの見解も示した。
 
                   ◇
 
 政府は、経済安全保障に関する機密情報の管理を厳格化する「重要経済安保情報保護・活用法案」について、今国会で成立を図る構えだ。10年前に施行した特定秘密保護法を経済分野に拡大する内容で、情報を取り扱う民間事業者が政府による身辺調査の対象になる。法案の必要性や懸念について、政府の有識者会議で座長代理を務めた東京大公共政策大学院の鈴木一人教授と、日弁連の情報問題対策委員会委員の三宅弘弁護士に聞いた。

 ◆鈴木一人教授「外国との共同研究、参加に必要」

 —法案の背景は。
 
 「特定秘密保護法では防衛、外交、スパイ・テロ防止の4分野に関する情報を特定秘密に指定し、それにアクセスできる人を限定してきた。だが、最近では宇宙など防衛に近いが防衛ではない分野、デュアルユース(軍民両用)分野がたくさん出てきて、欧米と共同研究をする場合、同等のセキュリティー・クリアランス(適性評価)がないと参加できない。情報流通の制約を取り払い、外国との最先端の共同研究に参加する『免許証』となる適性評価制度が必要とされている」
 
 —仕事で適性評価が事実上強制になるのでは。
 
 「本人の同意が前提だ。有識者会議でも入社前に適性評価が必要になることを告知するなど対応策を提言した。それでも組織から不利益な取り扱いを受けた場合、異議申し立てができる仕組みも設けるべきだ」
 
東京大公共政策大学院の鈴木一人教授(本人提供)

東京大公共政策大学院の鈴木一人教授(本人提供)

 —政府が新たに指定する重要経済安保情報は。
 
 「まず民間の情報をいきなり政府が指定することはないし、学術研究で公知のものも対象にならない。政府のお金や委託で開発した技術関連など、政府が保有する情報が前提になる」
 
 —例えばどんな情報か。
 
 「サイバー攻撃の攻撃元や手口に関する政府保有の情報は、民間のサイバーセキュリティー会社にとって対策上重要で、適性評価を受けた人に提供される。半導体や宇宙、原子力など重要物資の規制や守るべき技術に関する情報も入る。中国は、半導体の素材に使う希少金属のガリウムやゲルマニウムを輸出規制している。代わりの調達先など日本政府の調査分析で得られた情報は、半導体関連企業にとって必要になる」
 
 —特定秘密と異なり、指定状況の国会報告がない。
 
 「米議会では、適性評価を受けた議員だけで構成する委員会に限って報告する。日本の国会議員は情報漏えいのリスクでもあり、一切外に出さないなら国会報告はあってもいい」(聞き手・川田篤志)

 ◆鈴木一人(すずき・かずと) 1970年、長野県生まれ。専門は国際政治経済学、科学技術政策論。著書に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店)など。政府の「経済安全保障分野におけるセキュリティー・クリアランス制度等に関する有識者会議」の座長代理。

◆三宅弘弁護士「首相の下に個人情報が集約される」

 —法案をどう見るか。
 
 「政府が指定する重要経済安保情報の範囲が曖昧だ。軍民両面で利用可能なデュアルユース技術などに秘密保護の網をかけていくと、外縁が際限なく広がるのではないかと危惧(きぐ)する。指定や解除の運用基準を定めるというが、法的拘束力はない。2022年に成立し、セキュリティー・クリアランス(適性評価)制度導入の前提となった経済安保推進法でも『経済安全保障』の定義がそもそもなく、詳細は政府が決める政省令に委ねられている」
 
 —企業への影響は。
 
 「法律で指定の範囲や基準がはっきりしなければ、企業にとっては何が重要経済安保情報に当たるか分からないまま、処罰規定に触れてしまう可能性もある。(軍事転用可能な装置を不正輸出した疑いをかけられたが、捜査の違法性を東京地裁が認定した)大川原化工機事件のような冤罪(えんざい)が起こりかねず、営業の自由の侵害にも関わる問題だ」
インタビューに答える三宅弘弁護士=東京都新宿区

インタビューに答える三宅弘弁護士=東京都新宿区

 —適性評価を受ける民間人が増えると見込まれる。
 
 「家族や同居人の国籍、薬物乱用や精神疾患、飲酒の節度など適性評価で調べる項目はかなり広い。調査は首相や省庁など行政機関の長が行う。首相の下に個人情報が集約されることの是非も議論した方がいい」
 
 —特定秘密保護法と一体的に運用されるが違いは。
 
 「特定秘密の運用に課題は残されているが、衆参両院の情報監視審査会が指定状況などを一応は審査する仕組みがある。だが、今回の法案には重要経済安保情報について同様の報告義務は盛り込まれていない。国会軽視ではないか」
 
 —どうすべきか。
 
 「国会のチェックが及ばなければ、運用基準の適用が独り歩きする恐れもある。漏えいに実刑が科される重い情報を国会がスルーしていいとは思わない。政府は機密度が低いから報告はいらないという姿勢ではなく、正々堂々と報告すべきだ」(聞き手・近藤統義)

 ◆三宅弘(みやけ・ひろし) 1953年、福井県生まれ。専門は情報公開法。2010〜18年、内閣府の公文書管理委員会委員。委員長代理も務めた。著書に「知る権利と情報公開の憲法政策論—日本の情報公開法制における知る権利の生成・展開と課題」(日本評論社)など。

 
 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・岸田政権・国が指定した経済安全保障上の機密情報を扱う人を認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の導入を盛り込んだ「重要経済安保情報保護・活用法案」を閣議決定】  2024年02月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【政治まんが】:「公開 非公開 折衷案」 佐藤正明傑作選「一笑両断」発売中

2024-02-28 06:10:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政治まんが】:「公開 非公開 折衷案」 佐藤正明傑作選「一笑両断」発売中

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治まんが】:「公開 非公開 折衷案」 佐藤正明傑作選「一笑両断」発売中

 東京新聞では、基本的に毎週水曜日と日曜日の朝刊で、日本漫画家協会賞を受賞した漫画家・佐藤正明さんの政治まんがを掲載しています。国内外の政治の現状を鋭く、かつユーモアたっぷりに切り取った本紙の名物コーナー。傑作選「一笑両断」の発売を機に、東京新聞Webにも当面、政治まんがを掲載します。

「公開 非公開 折衷案」 佐藤正明

「公開 非公開 折衷案」 佐藤正明

◆佐藤正明「一笑両断 まんがで斬る政治」発売中

 ■【注文はこちら】

  東京新聞元政治部長 金井辰樹 解説
  1,540円(本体:1,400円+税10%)
  A5判 並製 128ページ オールカラー
  9784808310615
 
 
 ◆新型コロナウイルス感染拡大や首相交代、外交、東京五輪、不祥事…。
 ◆コロナ禍の政治家たちの右往左往を活写!
 東京五輪・パラリンピック招致にも成功し、異例の長期にわたった安倍政権。しかし、「アベノマスク」などのコロナ対策は不評で支持率は低迷しました。安倍氏は体調不良を理由に突如退陣し、代わった菅政権もちぐはぐなコロナ対策や「政治とカネ」などの問題で支持率は急落しました。
 こうしたここ数年の政界のドタバタぶりを「コロナ禍の政局」「五輪狂騒曲」「世相・流行も映してきました」「キャラが立つ人々」「よいお年を!こう吐く歌合戦」の5章に分け、厳選した政治まんが100超で斬っていきます!
 また、東京新聞元政治部長の金井辰樹(現編集局長)が各章を解説し、ネタにされた政治家からの意外な反応なども披露しています。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・連載「政治まんが」】  2024年02月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政倫審】:土壇場で28日は見送りに…渋る自民党の狙い読み解くと浮かぶ「やってる感」

2024-02-28 06:10:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政倫審】:土壇場で28日は見送りに…渋る自民党の狙い読み解くと浮かぶ「やってる感」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政倫審】:土壇場で28日は見送りに…渋る自民党の狙い読み解くと浮かぶ「やってる感」 

 自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を受けた衆議院政治倫理審査会(政倫審)を巡って、与野党の協議が難航している。28、29日開催で調整していたが、27日午後になって条件が折り合わず、一転見送りとなった。
 
 政治に詳しいジャーナリストの鈴木哲夫さんは、政倫審はそもそも説明責任を果たす上で「一番、軽い場だ」と指摘し、「茶番の国会対策にだまされちゃいけない」と力を込める。
 
 なぜ茶番と言えるのか、意味のある議論にするにはどうすれば良いのかを聞いた。(福岡範行)

 ◆3段階で最も「軽い」

27日、開会が遅れた衆院政治倫理審査会幹事会=国会で

27日、開会が遅れた衆院政治倫理審査会幹事会=国会で

 鈴木さんは、国会で不祥事や疑惑を明らかにしていく手続きとして3段階あると解説する。政倫審と、国会への参考人招致、そして国会への証人喚問だ。
 
 この中で、最も重い手続きが証人喚問。原則公開で、うそをつけば偽証罪に問われる。
 
 次に重いのが参考人招致。原則公開だが、うそをついても偽証罪までは問われない。
 
 最も軽い政倫審は原則非公開で、偽証罪に問われることもない。出席するかどうかも任意なので、本人が「出たくない」と言えば出席しなくてもいい。
鈴木さんは「政倫審みたいな軽いところでやったって、何の意味もない」とまで語る。
 では、なぜ政倫審の開催や、やり取りを公開するかどうかが連日ニュースになっているのか。鈴木さんは「自民党が自分でハードルを高くして、政倫審を大きなものに見せかけて、野党の要求を受け入れて『やっている感』を演出している」と読み解く。

 ◆「茶番だ」と語る理由

 例えば、衆議院の政倫審について、野党が自民の現職議員51人の出席を求めると、自民は当初は2人、今は5人と出席する人数を小出しに増やした。その流れだけ見ると自民が困難な要求に少しずつ応じているかのように映る。
 
 しかし、鈴木さんは「今国会が始まる前は、自民は『誠意を持って対応する』と言っていた。開会後に『政倫審をやらない』と言い出した」と振り返り、「茶番だ。自民は時間稼ぎをして、逃げ切ろうとしている」と指摘する。この自民の動きは、時間がたてば裏金問題の報道が少なくなり、国民が忘れていくという見立てからの国会対策だとし、「与党から国民が挑まれている。次の選挙までこの問題を忘れてはいけない」とも語った。

 ◆意味ある議論するには

 鈴木さんは、「政倫審が開かれても、国民が納得するような説明はないだろう」とも予想する。では、どうすればいいのか。鈴木さんは、政治とカネの特別委員会を設けることを提案する。
 
講演で政権の内情を明かした鈴木哲夫さん=2018年撮影

講演で政権の内情を明かした鈴木哲夫さん=2018年撮影

 今は、衆院予算委員会などで議論が行われているが、予算委では、能登半島地震の復興や子ども子育ての対策などの予算の議論にも時間をかける必要がある。特別委ならば「自民がどこまで取り組むかは別として、与野党で政治とカネに絞って議論され、中身は深まる。問題を忘れないことにも役立つ」と説く。
 
 政倫審でお茶を濁すこともできないだろうとも、鈴木さんは見通す。世論調査で、自民の説明不足を指摘する声が多いからだ。「国民はだまされていない。(政倫審を巡る自民の対応を)演出だと見抜いていると思う」
 
 背景には、国会での議論が、確定申告の時期と重なったことに加え、物価高が続いていることがあると鈴木さんは感じている。「2年近く庶民の苦しい生活が続いてきた中で、政治とカネの問題が出てきたことへの怒りがあると思う」。だからこそ、国会は特別委の設置などをして、本格的な再発防止に踏み込むべきだと訴える。
 
 「ここで逃げられたら、また問題は繰り返される。透明化をどうするか、政治資金規正法をどうするか、政治とカネについて根本的に考え直す機会にすべきだ」と語った。

 ◆そもそも政倫審はいつ、何のために?

 政倫審は、法令違反が取り沙汰される政治家の政治的・道義的責任について審査や勧告を行う。ロッキード事件を契機として1985年に衆参両院に設置された。
 
 本人の申し出か、委員の3分の1以上が申し立てて、出席委員の過半数が賛成すれば開催できる。
 
 出席に強制力はない。証人喚問と異なり、発言は偽証罪に問われない。これまでに審査の結果、一定期間の登院自粛や国会の役職の辞任などを勧告したケースはなく、「ガス抜き」に利用されてきた面もある。
 

 ◆開催された例は?

 1996年、自民党の加藤紘一氏の共和汚職事件を巡る闇献金疑惑で初めて開かれ、これまでに衆院で9回開催された。
 
 2009年には当時民主党代表だった鳩山由紀夫氏の政治資金虚偽記載問題で開催を議決したが、鳩山氏は出席しなかった。

 ◆公開しないの?

 公開するか否かの判断は出席者の意思に委ねられる。会議録も原則非公開で事実上閲覧できない。
 
 これまでに開催された9回のうち、完全非公開は1回だけ。議員にだけ傍聴を認めて報道には公開しなかった一部非公開は3回あった。
 
 議員が説明責任を果たすべき場であるにもかかわらず、制度面の限界が浮き彫りになっている。
 
2022年7月の衆院政治倫理審査会で手を上げて答弁に立つ田中真紀子元外相(代表撮影)

2022年7月の衆院政治倫理審査会で手を上げて答弁に立つ田中真紀子元外相(代表撮影)

 ◆参考人招致、証人尋問との違いは?

 疑惑を持たれた議員に国会で説明を求める方法は、政倫審のほかにも、証人喚問や参考人招致がある。大きな違いは、真相解明のための強制力だ。
 
 証人喚問は原則公開で、議院証言法で出席義務があり、理由のない欠席や虚偽の証言には罰則がある。
 
 参考人招致は、出席の強制力や虚偽説明への罰則がないものの、証人喚問同様に公開が原則だ。

 ◆裏金事件のケースは?

 野党は、還流額を政治資金収支報告書に記載しなかった安倍派、二階派の現職82人のうち全ての衆院議員51人の出席を要求。このうち自民党が応じたのは、安倍派座長や事務総長を務めた塩谷立、松野博一、西村康稔、高木毅の各氏、二階派の武田良太事務総長の計5人だけだった。
 
 政倫審の公開を巡っても与野党で調整が難航。野党は報道関係者の傍聴も認めた完全公開を求めているが、自民党は応じていない。
 
 野党は参院でも政倫審の場で、安倍派議員ら32人の審査を求めている。
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件・衆議院政治倫理審査会(政倫審)】  2024年02月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【自民党】:「派閥復活させず」 24年運動方針、原案判明

2024-02-28 02:05:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【自民党】:「派閥復活させず」 24年運動方針、原案判明

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:「派閥復活させず」 24年運動方針、原案判明

 自民党の2024年運動方針の原案が27日、判明した。派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け「これまでの派閥から脱却し、二度と復活させない」と明記。国民の政治への信頼を取り戻すため「解体的に出直す覚悟で不断の改革努力に最優先で取り組む」と決意を示した。年内の憲法改正実現のため、国民投票を通じ判断を仰ぐとした。複数の関係者が明らかにした。

 自民党の2024年運動方針原案ポイント

 自民党の2024年運動方針原案ポイント

 今後、運動方針に沿って改革を実行できるかどうかが問われる。運動方針の責任者を務める金子恭之組織運動本部長が岸田文雄首相(党総裁)ら党幹部と文案の調整を進めた後、3月17日の党大会で正式決定する。
 
 表題は「政治を刷新し、改革の道を歩む」とした。(共同通信)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・自民党の派閥問題】  2024年02月28日  02:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【立憲民主党】:蓮舫氏、西村康稔氏の一転「政倫審」出席拒否に「ちょっと、何言ってるのか理解不能」とバッサリ

2024-02-28 00:11:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【立憲民主党】:蓮舫氏、西村康稔氏の一転「政倫審」出席拒否に「ちょっと、何言ってるのか理解不能」とバッサリ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【立憲民主党】:蓮舫氏、西村康稔氏の一転「政倫審」出席拒否に「ちょっと、何言ってるのか理解不能」とバッサリ 

 立憲民主党の蓮舫参院議員(56)が27日、自身のX(旧ツイッター)を更新。

蓮舫氏(2022年7月撮影)

 

 自民党の派閥の裏金事件を受け、28日開催予定だった衆議院・政治倫理審査会をめぐり、公開に応じる意向を見せていた西村康稔前経産大臣が出席を断ったことについて言及した。

蓮舫氏のXから

 

 西村氏が“安倍派として対応をあわせるため自分だけ公開で応じることはできない”と公開での出席を断ったこととするWEB記事を引用し「ちょっと、何言ってるのか理解不能です。西村さん」とつづった。

 蓮舫氏の投稿に対し「もう納税しなくていいんじゃないかな。自分は会計ソフトのコールセンターで働いてるけど『確定申告なんてバカらしくてやってられるか!』みたいなお怒りの電話をよくいただくのだが、こんなことは今までなかった。本当に確定申告なんてやってられないと思う」「一転二転の転々転…何じゃこりゃぁぁですね 情無いやら酷いやら…一体誰の指示か… 是非とも究明をお願い申し上げます…」「政倫審は自由度がたかいのですね。それでは、政倫審ではないもので国民の前に明確に示していただきましょう」などのコメントが寄せられた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・国会・衆院政治倫理審査会・自民党派閥の政治資金パーティー】  2024年02月27日  23:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【自民派閥裏金事件】:2月28日の政倫審見送り 与野党、公開巡り対立

2024-02-28 00:11:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【自民派閥裏金事件】:2月28日の政倫審見送り 与野党、公開巡り対立

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民派閥裏金事件】:2月28日の政倫審見送り 与野党、公開巡り対立 

 与野党は27日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会の開催に向けて協議した。公開の在り方を巡り対立し、先週大筋合意していた28日の開催を見送った。野党は政倫審に出席する安倍派、二階派の5人のうち、全面公開に応じる議員の審査を先行させる案に言及し、自民側の出方が焦点となっていた。2024年度予算案の年度内成立が確実となる3月2日までの衆院通過に向け、自民が描く国会日程に影響する恐れもある。

 自民の浜田靖一国対委員長は「28日は無理になった」と国会内で記者団に述べ、29日以降の開催に努める考えを示した。与野党は政倫審を28、29両日に開く日程で大筋合意していた。実現できなければ、国民の政治不信を払拭する姿勢が不十分だとして自民への批判が高まる可能性がある。

 岸田文雄首相は「それぞれの議員が置かれた立場を省みて丁寧に説明するよう党として促していく」と官邸で記者団に強調。審議中の予算案は、能登半島地震の被災地復興など「国民生活にとって極めて重要な予算だ」と語り、年度内成立を期すため「自民関係者に対し、最良の方法を取るよう指示している」と話した。

 自民は27日、5人のうち安倍派の西村康稔前経済産業相と二階派の武田良太事務総長は28日の政倫審に出席意向だと野党側に伝達。記者の出席と録音は認める一方、テレビ中継は受け入れられないとして理解を求めた。野党側はテレビ中継を含め全面的に公開すべきだと反発。その後、自民は西村、武田両氏が一転して出席できなくなったと連絡した。

 野党筆頭幹事を務める立憲民主党の寺田学氏は「自民側から具体的理由の説明はなかった」と指摘。「自民はガバナンス(組織統治)が機能していない」と批判した。

 政倫審は原則非公開で、公開には本人同意が必要となる。自民は当初、5人が「完全非公開」を希望していると説明。立民が批判すると、国会議員の傍聴に限り容認する案を提示した。立民は報道機関の取材を含む全面公開を強く要求している。

 与党は27日の衆院予算委員会理事会で、3月1日の予算案採決を提案したが、野党は「審議時間が足りない」と拒否。引き続き協議する。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・国会・衆院政治倫理審査会・自民党派閥の政治資金パーティー】  2024年02月27日  21:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【玉川徹氏】:裏金問題解明は「政権交代しかない」野党に「憲法観は置いておいてもいいから共闘を」

2024-02-28 00:10:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【玉川徹氏】:裏金問題解明は「政権交代しかない」野党に「憲法観は置いておいてもいいから共闘を」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【玉川徹氏】:裏金問題解明は「政権交代しかない」野党に「憲法観は置いておいてもいいから共闘を」 

 元テレビ朝日社員の玉川徹氏は27日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会を公開するかどうかで与野党が折り合っていないことをめぐり「これを解明する唯一の方法は、政権交代しかないと思う」と持論を述べた。玉川徹氏(2019年7月撮影)玉川徹氏(2019年7月撮影)玉川徹氏(2019年7月撮影)

 政倫審は原則非公開とされ、公開か非公開かは本人の意向を尊重するよう定められている。出席を申し入れた5議員は、政倫審所属外の議員やメディアは傍聴できない「完全非公開」での審査を求めているとされる。

 玉川氏は「政倫審くらい公開してやりゃあいいじゃないですかね。(発言内容次第で)偽証(罪)に問われるわけでもないし」と、偽証罪に問われる証人喚問と異なり、政倫審には罰則もないことに触れた上で「このままの流れで行くと、自民党には解明する力はないということになってしまうのではないか。こんなところで抵抗していて、結果、公開になると思うんですけど、最終的には」と、最終的には自民党が公開に追い込まれる可能性にも触れながら「それでも足りないということになって証人喚問になれば偽証が問われるから、今度は『記憶にございません』になっちゃうでしょ」と、指摘した。

 その上で「国民は、一体何があったのか解明を求めている。そのためには、本当は国会の中に委員会みたいなものをつくって、第三者に権限を与えて調べるということをしないと、無理だと思います。民間だって第三者委員会をつくってやる。不祥事なんですから、別の権限の委員会をつくらないといけないが、やらないでしょ。政倫審すら公開しないと言っているんだから(自民党は第三者委員会も)やりません」とした上で「ということは、これを解明する唯一のは政権交代しかないと思う。政権が代わって新しい政権が、委員会をつくるということなら全部明らかになりますから」と、私見を述べた。

 「野党はその点で一致して共闘して(衆院)選挙をやるということくらい、やらないとダメだと思う。憲法観が合わないとか言っていることをやめて。憲法は何十年たっても変わっていないのだから、この1点(裏金事件の解明)に関して、そこ(野党各党の憲法観)は置いといてもいいから(共闘を)やったほうがいいのではないか」と、野党に提言。「たった1つでもいいから、しっかり前に進みましたという内閣を、国民が求めるということはあると思う」とも訴えた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・国会・衆院政治倫理審査会・自民党派閥の政治資金パーティー】  2024年02月27日  13:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【菊間千乃氏】:「なぜそこだけ『原則』を持ち出す?」裏金問題で政倫審の非公開主張の自民党に疑問

2024-02-28 00:10:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【菊間千乃氏】:「なぜそこだけ『原則』を持ち出す?」裏金問題で政倫審の非公開主張の自民党に疑問

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菊間千乃氏】:「なぜそこだけ『原則』を持ち出す?」裏金問題で政倫審の非公開主張の自民党に疑問 

 元フジテレビアナウンサーで弁護士の菊間千乃氏は27日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会を公開するかどうかで与野党が折り合っていないことについて厳しくコメントした。

菊間千乃弁護士(2017年10月撮影)菊間千乃弁護士(2017年10月撮影)

 政倫審は原則非公開とされ、公開するかしないかについては本人の意向を尊重するよう定められているが、出席を申し入れた5議員は、政倫審所属外の議員やメディアは傍聴できない「完全非公開」での審査を求めているとされる。

 菊間氏はこうした経緯を踏まえ「裏金づくりをやって、脱法行為をしてきた人たちがなんで、政倫審だけ原則非公開ですと、なぜそこだけ『原則』を持ち出すのか」と指摘。「自分たちは国民に裏切り行為をやってきたにもかかわらず、ここだけは原則が、みたいなことを言ってくるのがおかしいし、こういう報道自体が、自民党は国民を見ていないメッセージになっていることに、なぜ自民の議員の方は気付かないのでしょうか」と、真相解明を求める国民とは逆の判断となっていることを指摘した。

また「野党の要求を受けて公開の場で話をすることで、早く事態を収束させようという風に考える自民党議員はいないのかと考えてしまう」とも指摘した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・国会・衆院政治倫理審査会・自民党派閥の政治資金パーティー】  2024年02月27日  13:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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