尖閣諸島の領有権をめぐって新しい段階に入った。だが、今日の「赤旗」の記事の段取りでは、その最高のチャンスを逃すことになるだろう。
その理由は何か。同じ地域に住む共産党を支持する人の話は教訓的だからだ。「尖閣問題で石原都知事のやり方を批判し、賛成しなかった共産党に失望した」と。「これまでずっと議席に結びつかなくても共産党に入れてきた、共産党を支持してきたのだ」という。
今回の尖閣問題の解決と日米安保廃棄の政治的障害を取り除く、外交努力、これこそが今日本共産党に求められているのだろう。今は政府や中国政府に求める段階から自分が出て行って説得する段階なのだ。そのような日本改革への展望を語らなければ、支持者を失うことになるだろう。
ポイントは何か。
1.従来も実践していた「野党外交」を強力に推進することだ。今回の記事は、日本政府に求めるという形をとりながら、中国政府に意見を述べるという形をとっている。しかし、国民へのメッセージとしては極めて弱い!
2.そうではなく日本共産党と中国共産党が、同じ社会主義社会をめざす政党として、まさに平和的民主的自主的に領土問題を解決するための話し合いを行うことだ。志位和夫委員長と胡錦濤国家主席が北京か東京で会談するのだ。まさにビッグニュースだろう。
3.日本と中国は軍事同盟ではなく平和友好条約を結んでいる。日米は軍事同盟だ。この軍事同盟を正当化している「抑止力」論を日中両国共産党が打ち破る仕掛けをつくる。これに成功すれば、国際社会における社会主義勢力に対する信頼は大きく前進するだろう。南沙問題にも大きな影響を与えるし、この方が中国にとっても利益はあるはずだ。大国は小国にゆったり気分を感じさせることで、その権威をあげ、国益もあがる。中国国民も、このことに気付くべきだ。当然日本国民も、だ。
4.この会談に成功してはじめて、日米軍事同盟を廃棄する国民的環境が=政治的生涯が除かれることになるだろう。これは歴史の大転換だろう。まさに軍事同盟の博物館行きとなるからだ。
5.かつてソ連に対して、1979年12月、日ソ両党首脳会談を開き、宮本・ブレジネフ会談で、日本共産党の領土問題についての見解を正々堂々と主張した。そうして領土問題を含む平和条約締結の協議を日ソ両党間で継続的に開催することを確認している。その際に主張したことは、領土問題の政治的障害として存在する日米軍事同盟、日本を侵略戦争の危険な基地としている日米軍事同盟を廃棄して非同盟・中立の課題とリンクさせて主張したことだ。
6.そうして1990年10月「日ソ領土問題の公正な解決のために」と題したシンポジウムを開催し解決のための提言を行った。詳しくは『前衛』(1990年12月号)と不破哲三『千島問題と平和条約』(新日本出版社)を参照していただくことにしよう。
7.以上の視点で、今日の「赤旗」の記事と「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」の記事を読むと、日本共産党の平和外交政策実践力、憲法9条にもとづく外交政策実践力が試されているのだ。このことを抜きに国民の支持が広がっていくことは難しい。消費税増税・TPP・原発など、すべてに日米軍事同盟が係わっているからだ。この障害を取り除くことでしか、国民生活の展望は切り開けないのだ。
8.もう一つは、「共産党」名に対する不信感が信頼へと変わってくるのではないか。
尖閣も原発増税その奥に軍事同盟民の心に
「尖閣の国有化は当然―政府は理を尽くして領有の正当性を説け」2012年7月8日「赤旗」
日本共産党は、東京都の尖閣諸島の購入計画について、自治体が国家間の領土紛争に介入することは適切ではない、との立場を表明してきました。
国はすでに、3島を年間約2450万円で地権者から借り上げています(大正島は1921年から国有地)。国が購入し国有化することは、「平穏かつ安定的に維持、管理する」うえで当然のことです。
同時に、国有化によって問題が解決するわけではありません。この問題を外交交渉により解決する積極的な対応がいっそう強く求められます。日本政府は中国政府との間で72年の日中国交回復の時に棚上げ論に同調したことをはじめ、最近も領土問題は存在しないという言葉を盾に、外交舞台での議論を避けてきました。
都による購入はもちろんのこと、国有化でも、中国との間にある尖閣問題が解決するわけではありません。日本政府は尖閣諸島の領有の歴史上、国際法上の正当性について、中国政府と国際社会に対して、理をつくし堂々と展開する外交こそ強く求められます。
日本共産党は、中国政府が事態をエスカレートさせたり緊張を高める対応を避け、冷静な言動や対応を取るよう求めるとともに、日中両政府が、問題を話し合いで平和的に解決するよう努力を呼びかけています。
日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか/全国革新懇総会 志位委員長の記念講演 [2012.5.15]
東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を
最後にのべておきたいのは、日米安保条約の廃棄をめざす取り組みとともに、東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を、一貫して追求することが重要だということであります。4点ほどのべておきたいと思います。
軍事的対応の拡大と悪循環をきびしくしりぞける
一つは、「軍事には軍事」という軍事的緊張の拡大と悪循環は、いかなる形であれきびしくしりぞけるということです。
北朝鮮が、国際法や国際合意に違反する行動をとった場合に、日本の対応として、外交的解決の努力よりも軍事対応が突出する傾向が、しばしばみられますが、こうした態度はきびしく戒めることが必要であります。
この問題は、今後も複雑な局面が予想されますが、どんな場合でも、国際社会が一致して、外交的解決に徹するという態度を堅持することが、北朝鮮に違法行為をやめさせ、国際社会の責任ある一員としていくうえで、何よりも重要であるということを、強調しておきたいと思います。
米中・日中関係――軍事力で対抗する思考から抜け出し、軍拡から軍縮に
二つ目に、日中両国が「戦略的互恵関係」を確立し、米中両国も「戦略・経済対話」のしくみを制度化し、それぞれが経済関係、人的交流をいよいよ深化させるもとで、これらの国と国との戦争は決しておこしてはならないし、もはやおこせないことは誰の目にも明らかになっています。
その現実に立って、双方が、軍事力で対抗するという思考から脱却し、軍拡から軍縮に転じることを、わが党は強く求めるものであります。
領土をめぐる紛争問題――歴史的事実と国際法にもとづく外交的解決に徹する
三つ目に、この地域に存在する領土をめぐる紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹することが何よりも重要であります。
日本政府にこの点での弱点があることが、紛争解決の障害となっていることを、私たちは率直に指摘し、道理に立った領土問題解決の提案を行ってきました。
同時に、領土問題にかかわって、紛争当事国の一部から、一方的措置や武力行使容認論などが主張されていることは、相互不信を増幅するものとなっており、私は、是正する努力を求めたいと思います。
歴史問題の解決は、東アジアに平和的環境をつくる土台
四つ目に、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、東アジアに平和的環境をつくる土台になるということです。
わが党は、「従軍慰安婦」問題など、未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さないことを、日本政府に強く求めます。
過去を変えることはできませんが、過去を直視し、そこから反省と教訓を引き出し、未来に生かすことができます。そういう姿勢を貫いてこそ、日本は、東アジア諸国との本当の友情をつくることができるというのが、私たちの確信であります。
日米安保条約をなくす国民的多数派をつくろう
みなさん。日米安保条約をなくすためには、それを求める国民的多数派をつくることが必要であります。そのためには平和を願う国民要求から出発して、日米軍事同盟の他に類のない異常を一つひとつただすたたかいを発展させるとともに、「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広く国民のものにしていく取り組みが大切であります。
沖縄をはじめとする米軍基地撤去、治外法権的な日米地位協定の改定、「米軍再編」の名での地球的規模での日米軍事共同をやめさせる、米軍への「思いやり予算」を廃止する、国民を欺く「核密約」など秘密取り決めを撤廃する、TPP参加を阻止するなど、国民の切実な要求にもとづくたたかいを、それぞれの一致点を大切にしながら、大きく発展させようではありませんか。
そのなかで「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広い国民のものにしていく努力を一貫して強めようではありませんか。
日米安保条約廃棄を求める国民的多数派をつくることは、民主連合政府を樹立する大きな条件を開くことにもなります。
みなさん。力をあわせて、本当の独立国といえる、平和・中立の新しい日本をつくりましょう。そのことを、最後に訴えて、私の話とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-15/2012051509_01_0.html
その理由は何か。同じ地域に住む共産党を支持する人の話は教訓的だからだ。「尖閣問題で石原都知事のやり方を批判し、賛成しなかった共産党に失望した」と。「これまでずっと議席に結びつかなくても共産党に入れてきた、共産党を支持してきたのだ」という。
今回の尖閣問題の解決と日米安保廃棄の政治的障害を取り除く、外交努力、これこそが今日本共産党に求められているのだろう。今は政府や中国政府に求める段階から自分が出て行って説得する段階なのだ。そのような日本改革への展望を語らなければ、支持者を失うことになるだろう。
ポイントは何か。
1.従来も実践していた「野党外交」を強力に推進することだ。今回の記事は、日本政府に求めるという形をとりながら、中国政府に意見を述べるという形をとっている。しかし、国民へのメッセージとしては極めて弱い!
2.そうではなく日本共産党と中国共産党が、同じ社会主義社会をめざす政党として、まさに平和的民主的自主的に領土問題を解決するための話し合いを行うことだ。志位和夫委員長と胡錦濤国家主席が北京か東京で会談するのだ。まさにビッグニュースだろう。
3.日本と中国は軍事同盟ではなく平和友好条約を結んでいる。日米は軍事同盟だ。この軍事同盟を正当化している「抑止力」論を日中両国共産党が打ち破る仕掛けをつくる。これに成功すれば、国際社会における社会主義勢力に対する信頼は大きく前進するだろう。南沙問題にも大きな影響を与えるし、この方が中国にとっても利益はあるはずだ。大国は小国にゆったり気分を感じさせることで、その権威をあげ、国益もあがる。中国国民も、このことに気付くべきだ。当然日本国民も、だ。
4.この会談に成功してはじめて、日米軍事同盟を廃棄する国民的環境が=政治的生涯が除かれることになるだろう。これは歴史の大転換だろう。まさに軍事同盟の博物館行きとなるからだ。
5.かつてソ連に対して、1979年12月、日ソ両党首脳会談を開き、宮本・ブレジネフ会談で、日本共産党の領土問題についての見解を正々堂々と主張した。そうして領土問題を含む平和条約締結の協議を日ソ両党間で継続的に開催することを確認している。その際に主張したことは、領土問題の政治的障害として存在する日米軍事同盟、日本を侵略戦争の危険な基地としている日米軍事同盟を廃棄して非同盟・中立の課題とリンクさせて主張したことだ。
6.そうして1990年10月「日ソ領土問題の公正な解決のために」と題したシンポジウムを開催し解決のための提言を行った。詳しくは『前衛』(1990年12月号)と不破哲三『千島問題と平和条約』(新日本出版社)を参照していただくことにしよう。
7.以上の視点で、今日の「赤旗」の記事と「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」の記事を読むと、日本共産党の平和外交政策実践力、憲法9条にもとづく外交政策実践力が試されているのだ。このことを抜きに国民の支持が広がっていくことは難しい。消費税増税・TPP・原発など、すべてに日米軍事同盟が係わっているからだ。この障害を取り除くことでしか、国民生活の展望は切り開けないのだ。
8.もう一つは、「共産党」名に対する不信感が信頼へと変わってくるのではないか。
尖閣も原発増税その奥に軍事同盟民の心に
「尖閣の国有化は当然―政府は理を尽くして領有の正当性を説け」2012年7月8日「赤旗」
日本共産党は、東京都の尖閣諸島の購入計画について、自治体が国家間の領土紛争に介入することは適切ではない、との立場を表明してきました。
国はすでに、3島を年間約2450万円で地権者から借り上げています(大正島は1921年から国有地)。国が購入し国有化することは、「平穏かつ安定的に維持、管理する」うえで当然のことです。
同時に、国有化によって問題が解決するわけではありません。この問題を外交交渉により解決する積極的な対応がいっそう強く求められます。日本政府は中国政府との間で72年の日中国交回復の時に棚上げ論に同調したことをはじめ、最近も領土問題は存在しないという言葉を盾に、外交舞台での議論を避けてきました。
都による購入はもちろんのこと、国有化でも、中国との間にある尖閣問題が解決するわけではありません。日本政府は尖閣諸島の領有の歴史上、国際法上の正当性について、中国政府と国際社会に対して、理をつくし堂々と展開する外交こそ強く求められます。
日本共産党は、中国政府が事態をエスカレートさせたり緊張を高める対応を避け、冷静な言動や対応を取るよう求めるとともに、日中両政府が、問題を話し合いで平和的に解決するよう努力を呼びかけています。
日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか/全国革新懇総会 志位委員長の記念講演 [2012.5.15]
東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を
最後にのべておきたいのは、日米安保条約の廃棄をめざす取り組みとともに、東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を、一貫して追求することが重要だということであります。4点ほどのべておきたいと思います。
軍事的対応の拡大と悪循環をきびしくしりぞける
一つは、「軍事には軍事」という軍事的緊張の拡大と悪循環は、いかなる形であれきびしくしりぞけるということです。
北朝鮮が、国際法や国際合意に違反する行動をとった場合に、日本の対応として、外交的解決の努力よりも軍事対応が突出する傾向が、しばしばみられますが、こうした態度はきびしく戒めることが必要であります。
この問題は、今後も複雑な局面が予想されますが、どんな場合でも、国際社会が一致して、外交的解決に徹するという態度を堅持することが、北朝鮮に違法行為をやめさせ、国際社会の責任ある一員としていくうえで、何よりも重要であるということを、強調しておきたいと思います。
米中・日中関係――軍事力で対抗する思考から抜け出し、軍拡から軍縮に
二つ目に、日中両国が「戦略的互恵関係」を確立し、米中両国も「戦略・経済対話」のしくみを制度化し、それぞれが経済関係、人的交流をいよいよ深化させるもとで、これらの国と国との戦争は決しておこしてはならないし、もはやおこせないことは誰の目にも明らかになっています。
その現実に立って、双方が、軍事力で対抗するという思考から脱却し、軍拡から軍縮に転じることを、わが党は強く求めるものであります。
領土をめぐる紛争問題――歴史的事実と国際法にもとづく外交的解決に徹する
三つ目に、この地域に存在する領土をめぐる紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹することが何よりも重要であります。
日本政府にこの点での弱点があることが、紛争解決の障害となっていることを、私たちは率直に指摘し、道理に立った領土問題解決の提案を行ってきました。
同時に、領土問題にかかわって、紛争当事国の一部から、一方的措置や武力行使容認論などが主張されていることは、相互不信を増幅するものとなっており、私は、是正する努力を求めたいと思います。
歴史問題の解決は、東アジアに平和的環境をつくる土台
四つ目に、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、東アジアに平和的環境をつくる土台になるということです。
わが党は、「従軍慰安婦」問題など、未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さないことを、日本政府に強く求めます。
過去を変えることはできませんが、過去を直視し、そこから反省と教訓を引き出し、未来に生かすことができます。そういう姿勢を貫いてこそ、日本は、東アジア諸国との本当の友情をつくることができるというのが、私たちの確信であります。
日米安保条約をなくす国民的多数派をつくろう
みなさん。日米安保条約をなくすためには、それを求める国民的多数派をつくることが必要であります。そのためには平和を願う国民要求から出発して、日米軍事同盟の他に類のない異常を一つひとつただすたたかいを発展させるとともに、「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広く国民のものにしていく取り組みが大切であります。
沖縄をはじめとする米軍基地撤去、治外法権的な日米地位協定の改定、「米軍再編」の名での地球的規模での日米軍事共同をやめさせる、米軍への「思いやり予算」を廃止する、国民を欺く「核密約」など秘密取り決めを撤廃する、TPP参加を阻止するなど、国民の切実な要求にもとづくたたかいを、それぞれの一致点を大切にしながら、大きく発展させようではありませんか。
そのなかで「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広い国民のものにしていく努力を一貫して強めようではありませんか。
日米安保条約廃棄を求める国民的多数派をつくることは、民主連合政府を樹立する大きな条件を開くことにもなります。
みなさん。力をあわせて、本当の独立国といえる、平和・中立の新しい日本をつくりましょう。そのことを、最後に訴えて、私の話とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-15/2012051509_01_0.html