愛国者の邪論

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「新自由主義」擁護を示した日米軍事同盟深化派「朝日」のベネズエラ大統領選報道、革新日本の明日を投影!

2012-10-09 | 日記

ノーベル賞報道満載の今日の「朝日」(だけではないが)の報道のなかで、注目したのは、国際面の報道だった。「朝日」と「赤旗」の報道を比べてみて判ったことがある。それは、

1.「朝日」が新自由主義礼賛であり、中南米の社会変革に対して、どういう見方をしているか、よく示されたこと。このことはユーロ内で起こった新自由主義政策に反対する諸国民の戦いに対して、不安を煽ってきたことと連動していることが、ここでも証明されたこと。すなわち民自公の政策を「批判」を見せながらも、実は新自由主義的政策を擁護し、推進する立場であることと無関係ではなかったこと。

2.今後新自由主義をすすめる日米政府田財界などに反対する日米軍事同盟廃棄派を「反米」として描くであろうことが、予測できたこと。

3.まさに、今後真の独立をめざす動きに対してどのようなスタンスを取るか、はっきりしたこと。

では、具体的にどうだったか、みてみよう。

「朝日」8面には、以下のような記事が掲載された。

「チャベス氏冷や汗勝利」という大見出し。その説明は、以下のとおり。
 南米ベネズエラの大統領選が7日投開票され、反米を旗印に13年余り政権を維持してきた現職のウゴ・チャベス氏(58)が接戦の末、主要野党統一候補でミランダ州知事のエンリケ・カプリレス氏(40)らを破り、4回目の当選を果たした。(印用ここまで)

そして「ベネズエラ大統領選」「接線初体験『良い大統領になる』」という項目の説明が以下の文章だ。

 中央選管の集計によると、開票率90%時点で、チャベス氏の得票率が54・42%、カプリレス氏は44・97%。投票率は80・94%だった。
 チャベス氏は2009年に大統領の再選制限を撤廃する憲法改正に踏み切り、今回の選挙に臨んだが、過去3回に比べ、得票率を大きく落とした。治安悪化やインフレなど内政面で有権者が抱く不満の大きさを反映し、対立候補の得票率は過去にない高さに達した。
任期は13年1月10日から19年までの6年間。昨年6月、骨盤にがんが見つかり、2度キューバで手術を受けた後も、たびたび治療を受けるなど、任期を全うできるか疑問視する声もある。
 チャベス氏は7日深夜、大統領府のバルコニーに姿を見せ、集まった民衆に礼を述べて「日ごとにいい大統領になる」と宣言。カプリレス氏には「右派の候補者は我々の勝利を受け入れたまえ。それが祖国建設の大きな一歩だ」と呼びかけた。(引用ここまで)


「反米だけでは行き詰まり」という見出しの項目に、以下の文章が掲載された。カラカス発だ。

 「製油所は古いまま。病院にはガーゼもない。なのに外国には支援するのか」。カプリレス氏は、キューバなどに石油を支援するチャベス氏を繰り返し批判した。
 石油の富は国内には十分回らず、8月に爆発事故を起こし100人以上の死傷者が出たアムアイ製油所では、従業員から「メンテナンスや設備更新が滞つている」という証言が相次いだ。
 チャベス氏は、99年の大統領就任以降、貧困層に医療や住宅を無料提供するなどの支援を進め、支持者を増やしてきた。だが、長期展望を欠いた場当たり的な支援も多く、失業率などはなかなか改善しなかった。カプリレス氏の「チャベス政権はもうたくさんだ」という訴えは、チャベス氏の支持基盤のはずだった貧困層の間でも共感を集めていた。
 チャベス氏は相手を激しく攻撃している時にこそ本領発揮する。しかし、現政権の貧困者支援を継続すると言うカプリレス氏には、「ブルジョア」「資本主義者」とおきまりの言葉を繰り返すだけで、攻め手を欠いた。国民の関心事である治安問題もほとんど触れなかった。
 チャベス氏は、豊富な石油収入を援助につぎこんでイランやキューバなど反米諸国との関係を深め、米国への対立軸を作るというこれまでの路線を続ける構えだ。しかし、頼みの石油生産も外貨準備高も減り続けており、経済の立て直しなしには、いずれ行き詰まる可能性がある。
 支援を受けてきた国々は選挙の行方を注視した。国内総生産に相当する額の支援を受けているともいわれるキューバでは、当選が報じられた直後にラウル・カストロ国家評議会議長の祝福のメッセージがテレビで読み上げられた。アルゼンチンのフェルナンデス大統領もすぐに電話で当選を祝った。(カラカス=岩田誠司)(引用ここまで)


一方「赤旗」は7面に、以下の見出しで、掲載された。

「チャベス大統領4選」「ベネズエラ大統領選挙 改革路線改めて信任」の大見出しの説明文として、以下の文章が掲載された。

 【カラカス=菅原啓】南米ベネズエラで7日実施された大統領選挙で、現職のチャベス大統領が野党統一候補を破って当選を果たしました。1998年の初当選以来、大企業優先の新自由主義に反対し、豊富な石油資源を背景に貧困削減など国民生活向上に重点を置いたチャベス大統領の改革路線が改めて国民の過半数の信任を得た結果となりました。

 選挙管理にあたる帝国選挙評議会(CNE)が7日夜に発表した暫定結果(約叩勿の集計)によると、チャベス大統領の得票率は54・4%で、事前に接戦が伝えられた右派政党を中心とする野党連合のカプリレス前ミランダ州知事は44・9%にとどまりました。投票率は過去最高の約81%に達しました。
 最終盤まで自身が大差で勝利すると語っていたカプリレス氏もこの結果を受けて、「チャベス候補を祝福する」と表明し、敗北を認めました。首都カラカス市内では、選挙結果が判明した直後に花火が上がり、チャベス政権の支持者らが街頭に出て、与党の旗や国旗を振り、歓声を上げました。
 大統領官邸に詰めかけた群衆を前に、チャベス大統領は、選挙結果を「国民の勝利」と指摘。ベネズエラは「新自由主義にはもどらない」「21世紀の民主的なポリバル的な社会主義」をめざすと決意を表明しました。(引用ここまで)

さらに「野党候補『善戦』が問うもの」という項目の中で以下の文章が掲載された。これもカラカス発だ。

 14年開続けてきた革命をもっと深化させることができる」
ペネズエラ大統領選でチャベス氏当選が発表された直後、民開企業に勤める会社員ペレイラさん(55)は満面のの笑みを見せてこう語りました。
チャべス政権は、豊富な石油輸出収入を国民生活改善の施策に振り向け、安価な食料品販売網の設立、最低賃金の連続的引き上げ、公的医療機関の無料化などを実現。この結果、貧困世帯の割合は、チャべス大統領就任前の1998年の44.3%から26.7%(2011年)まで大帽に引き下げるなどの成果を挙げてきました。
 チャベス氏が約10ポイントの差で対抗馬のカプリレス氏に勝利したことは、「改革の全般的な方向について多数の有権者が信任した」(経済学者ルベン・ララ氏)ことを示しています。
 一方、今回のチャベス氏の得票率は勝利した過去3回の大統領選挙と比べて最低水準にとどまりました。野党側は2年前の国会議員選の得票数からさらに100万票も上積みする「善戦」でした。治安悪化への不安やインーフレなどの経済問題ヘの懸念が影響したとの報道もあります。
 カプリレス候補は、民営化推進など新自由主義政策を信奉する右派の政治家。しかし、財界が牛耳るマスコミは、穏健な改革者のイメージを大宣伝しました。カプリレス氏は各地の遊説で、チャベス政権の「ミシオン(社会開発の諸計画)の内容はいいが、ほとんど機能していない」などの訴えを繰り返しました。
 担当者の汚職や能力などのためにミシオンがうまく進んでいないところがあるのは事実です。そのため、こうしたチャベス政権への不満をあおる攻撃は、大きな効果を発揮しました。
 チャベス大統領は計画の実行をきちんとフォローするしくみが不足していたことを自らの「誤り」の一つだと認め、改善を約束。勝利宣言の演説でも「よりよい大統領になる」と表明しました。
 4選を果たしたチャベス政権が選挙からどんな教訓をくみ取るのか、改革の基本は維持しながらどんな是正に踏み出すのか、国民は期待を込めて見つめています。(カラカス=菅原啓)
(引用ここまで)