メディアをとおして伝えられる安倍晋三首相の言葉や表情や身振り手振りの「元気のよさ」と、観念的情念的言葉、自らに酔っている言葉を見るにつけ、この人、大丈夫だろうか、と思うのは、愛国者の邪論だけでしょうか?
ヒトラーの演説ほどではないにしろ、どこか共通するものがあるように思います。
第183通常国会召集 安倍首相、所信表明演説(全録)
http://www.youtube.com/watch?v=gKsWTiySqyI
所信表明演説にして然りでした。国防軍創設と人権制限の憲法改悪を隠し、強い経済を取り戻すを連呼しているのは、その際たるものです。
安倍首相 所信表明演説で「危機」14回
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20130129-1078061.html
第183通常国会が28日召集された。安倍晋三首相は衆院本会議で、06年9月以来2度目の所信表明演説を行い、「危機」という言葉を14回使って経済や外交などで日本が置かれた現状からの脱却を強調したが、具体的な政策には踏み込まなかった。片仮名を多用した「意味不明の安倍造語」を羅列し、失笑を買った前回とは対照的に、安全運転演説で乗り切った。安倍氏は「国家国民のために再びわが身をささげんとする決意の源は、深い憂国の念だ」とした上で、「日本の未来をおびやかす数々の危機を、何としても突破しないといけない」と強調。芦田均元首相の言葉「どうなるだろうかと他人に問い掛けるのではなく、我々自身の手で運命を開拓するほかに道はない」を引用し、「最大の危機は、日本人が自信を失ったことにある。自らの力で成長しようという気概を失えば、明るい将来は切り開けない。強い日本をつくるのは私たち自身です」と呼び掛けた。(引用ここまで)
確かに、ちりばめられた言葉のなかに「憲法改正」はありません。そういう点では「安全運転演説」だったかもしれません。しかし、だからと言って、「憲法改悪」はなくなったのか、と言えば、ウソです。そういう点では国民ダマシです。何故そのことを批判しないのでしょうか?さらには国民と国家を「数々の危機」に陥れ、脅かし、日本人の「自信」を喪失させたのは、他ならぬ自民党政権でした。何故そのことを批判しないのでしょうか?
今、起こっている様々な「出来事」は、戦後の自民党政権の政策の結果です。
勿論それを支持してきた日本国民も同じです。しかし、安倍首相や政治家が、それを言っちゃおしまいです。
その点、安倍首相の「決意の源」である「深い憂国の念」は、反省なき、身勝手な、自己満足の「念」と言えます。しかも「私たち自身」などと、他人事で、これまた「一億総ざんげ」思想のぶり返しで、無反省ぶり極地で、極めて不遜です。「私」でなければなりません。いや「私たち自民党政治家」と言った方が良いのでしょうか?
しかも、「皆さん…ではありませんか」との呼びかけ、それに呼応した賛同の「よ~し」「どよめき」「拍手」には、辟易します。
マスコミの評価も呆れます。6年前と比べて「現実的」「安倍カラーは抑えた形」などと評価、容認しましたが、中身は同じです。こうした評価が、日本の危機創出に強力加担してきたこと、その無反省ぶりは、今後起こるであろう危機の増幅によって証明されるでしょう。しかし、その時のためにも、この演説の報道について記憶にとどめておく必要があると思います。
安倍首相、変化の背景
http://www.youtube.com/watch?v=1fj4cq2Kxso
安倍首相が所信表明、「危機突破」強調
http://www.youtube.com/watch?v=g9dQi_G_53I
以下、安倍首相の無責任・無反省ぶりを示した言葉をあげておきます。
デフレと円高の泥沼から抜け出せず、50兆円とも言われる莫大な国民の所得と産業の競争力が失われ、どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならない、日本経済の危機。
32万人近くにもおよぶ方々が住み慣れた故郷に戻れないまま、遅々として進んでいない、東日本大震災からの復興の危機。
外交政策の基軸が揺らぎ、その足元を見透かすかのように、我が国固有の領土・領海・領空や主権に対する挑発が続く、外交・安全保障の危機。
みなさん。今こそ、額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、真っ当な社会を築いていこうではありませんか。
私がなぜ、数ある課題のうち経済の再生に最もこだわるのか。それは、長引くデフレや円高が、「頑張る人は報われる」という社会の信頼の基盤を根底から揺るがしていると考えるからです。
政府がどれだけ所得の分配を繰り返しても、持続的な経済成長を通じて富を生み出すことができなければ、経済全体のパイは縮んでいってしまいます。そうなれば、ひとりひとりがどんなに頑張ってみても、個人の手元に残る所得は減っていくばかりです。
世界中から投資や人材をひきつけ、若者もお年寄りも、年齢や障害の有無にかかわらず、すべての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスを与えられる社会。働く女性が自らのキャリアを築き、男女がともに仕事と子育てを容易に両立できる社会。中小企業・小規模事業者が躍動し、農山漁村の豊かな資源が成長の糧となる、地域の魅力があふれる社会。そうした、あるべき社会像を、確かな成長戦略に結び付けることによって、必ずや強い経済を取り戻してまいります。
我が国が直面する最大の危機は、日本人が自信を失ってしまったことにあります。確かに、日本経済の状況は深刻であり、今日明日で解決できるような簡単な問題ではありません。
しかし、「自らの力で成長していこう」という気概を失ってしまっては、個人も、国家も、明るい将来を切り拓くことはできません。芦田均元首相(在任:1948年3月10日~10月15日)は、戦後の焼け野原の中で、「将来はどうなるだろうか」と思い悩む若者たちを諭して、こう言いました。「『どうなるだろうか』と人に問いかけるのではなく、『我々自身の手によって運命を開拓するほかに道はない』」と。
この演説をお聴きのひとりひとりの国民へ訴えます。何よりも、自らへの誇りと自信を取り戻そうではありませんか。私たちも、そして日本も、日々、自らの中に眠っている新しい力を見出して、これからも成長していくことができるはずです。今ここにある危機を突破し、未来を切り拓いていく覚悟をともに分かち合おうではありませんか。
“強い日本”を創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。(引用ここまで)
「強い日本」を目指すために、少人数学級は拒否し、生活保護費を減らし、原発を再稼動させる、日米同盟を基軸に集団的自衛権行使で、若者の血を流させる、いやそればかりか、他民族を殺させるのです。
法人減税と消費税増税によって内部留保をシコタマ増やさせておきながら、さらに非正規雇用を拡充し、賃金低下を招き、デフレを進行させておきながら、賃金アップの条件に企業の法人減税とリンクさせ、さらなる企業の大儲けを保障してやるのです。
これが安倍首相の「強い国」ニッポンなのです。
このアベノミクスに対して、応援だからも懸念の声があがるのは、その政策もそうですが、彼の人格にも不安があるからでしょう。
繰り返すな、6年前の誤り (1) - 安倍新総理は賃上げに動くべきだ -
http://jp.fujitsu.com/group/fri/column/opinion/201301/2013-1-6.html
繰り返すな、6年前の誤り (2) - 安倍新総理は賃上げに動くべきだ -
http://jp.fujitsu.com/group/fri/column/opinion/201301/2013-1-7.html
…日本のGDP473兆円のうち賃金は52%の245兆円である。仮にこれを4%引き上げるとすれば、10兆円必要になる。他方、企業が保有している現金・預金は215兆円だ。(引用ここまで)
この指摘、どこかで見たことはないだろうか?以下をご覧いただければと思います。
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/20121126-1.html
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/2012-01.html
この企業の資金を国民のために使うかどうか、そこに安倍政権がどこまで踏み込めるか、国民との矛盾がここにあると思います。
株高の仕掛け人は海外投機筋「アベノミクス」の虚構2012年12月28日(金)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-28/2012122801_02_1.html
安倍バブル 恩恵を受けたのは欧米中の海外投資家という現実2013年1月30日(水)16時0分配信
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/postseven-20130130-168710/1.htm
最後に以下の記事を紹介します。これらの諸事実の奥深いところに、戦後自民党政権の政策破綻があるのではないでしょうか?こうした事件などに無反省な安倍自公政権の政策に未来がないことは明らかです。そのためにも国民的運動の高まりが必要です。
うつ病 「心」と「現実」の混同は誤り 拠りどころ喪失が大きな要因に
加藤諦三氏(早稲田大学名誉教授)
2013年01月31日(Thu) 海部隆太郎 (ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2550?page=2
雅子さま「歌会始で愛子さまの歌ばかり」に不安を抱く見方も
2013年1月30日(水)16時0分配信 NEWSポストセブン
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/postseven-20130130-168119/1.htm
女子選手に「死ね」、笑顔でも怖かった…告発文(2013年1月31日06時17分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130130-OYT1T01683.htm?from=main5
資産家事件、逮捕の社長「投資で損させられた」(2013年1月31日08時16分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130130-OYT1T00947.htm?from=top