「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

学校給食 身勝手は許されない

2006-10-03 06:00:59 | Weblog
産経新聞によると、家計にゆとりがあるのに給食費を払わない保護者が
増えているという。僕はこれを読んで一瞬、給食費を払えなくなった貧困
家庭が増えてきた、貧富の格差がこんなところにも現れてきたのかと錯
覚した。ところが、そうではないのである。

僕らが育った戦前には学校給食などなかった。弁当を持って登校したが、
クラスの二割は持参せず昼休みに子供言葉で”食べ”といって家に食べ
に帰った。僕らの区域には三業地(芸者街)があり、夜の商売の家庭が
多かったせいかもしれない。なんとなく”食べ”の級友たちの顔は皆と一
緒に弁当が食べられず寂しそうだった。

戦後の学校給食のお蔭だろう。日本の子供たちの栄養状態は改善され、
体格は急速によくなった。戦前はクラスに一人や二人栄養不良からか
いつも鼻から”青っ洟”をたらしたり、手足にデキもののある子供がいた
ものだ。いまのように全員"お利口さん”顔、健康優良児ではなかった。

余裕があるのに何故給食費を払わないのか、僕にはわからない。本当に
困っている保護者には公費で負担すべきだが、そうではない身勝手な保
護者には”強権”を発動してでも取り上げるべきである。なにより子供
が可哀そうだ。むかし教室で弁当を共に出来なかった級友たちの顔が目に
浮かぶ。給食制度は日本の誇る財産である。身勝手は許されない。