「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

人生の転機 世界の転機

2006-10-30 06:09:16 | Weblog
人生二回転機説がある。僕の場合うち一回は半世紀前の1956年10月ー11月
であった。この年の10月上旬、僕は社会部(新聞社)から外信部へ移動となった。
入社3年多少"きったはった”の取材に”たこ”になっていただけに外電の翻訳が
仕事の異動はショックだった。若かったため記者としての自信さえ失いかけた。
そのときに長女が生まれた。50年たった今ふり返ると人生の転機だったのだ。
その後”外国”とのお付き合いが僕の人生の縦軸になった。

この時期世界も一つの転機であった。10月23日ハンガリー事件が発生した。
ソ連の支配と権力に対して民衆が蜂起し、11月4日にはソ連の軍事介入を招き
1万数千人が殺された。一方、10月29日にはイスラエル軍がエジプトのシナイ
半島に侵入、スエズ動乱が発生した。英仏両軍がこれを支援、エジプト側は運
河に船を沈め航行不能の措置にでた。

この二つの事件は、その後の世界史を変える転機となった。ハンガリー事件
が転機で「プラハの春」が到来、東欧でのソ連型社会主義は消滅した。ワルシ
ャワ条約からの脱退、NATOへの加盟など当時はとても考えられなかった。ス
エズ戦争によって西欧の中東における威信は失墜した。エジプトとイスラエル
との和解も当時は想像も出来なかった。
変わらないのはパレスチナ問題だ。その後も二回戦争が発生、一向に解決の
兆しが見られない。根の深さがうかがえる。