「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本の伝統文化 お十夜

2006-10-26 06:08:18 | Weblog
年齢相応なのか最近身の回りの伝統文化に興味を持ってきた。きのうも
案内を頂いた菩提寺のお十夜法要に参席した。この年にして初めてのこ
とだ。浄土宗だけのものらしいが、本来は陰暦の10月5日から15日まで十
日十夜催されたが、今は一日だけの念仏会となった。これに参席すると、
あの世で千日間善行をした以上の善行を積んだことになるという。

菩提寺の本堂には約百人の善男善女が集まっていたが、その8割以上がお
年寄りの女性、残りが高齢の男性だった。法会で読み上げる卒塔婆の寄贈
者の名前は女性名が多かった。

僕らは正直いって信仰心の薄い世代である。戦争は最後には神風が吹き
勝利するとかたく信じていただけに敗戦で、僕らの思考を変えた。”神も仏も
あるものか”と思うようになった。最近、宗教離れした葬儀が多くなったのは
葬儀代が高いのもさることながら、この影響ではないのだろうかー。


お十夜法会は華麗であった。十数人の僧侶が読経する中での散華は美しい。
こういった伝統儀式がよくぞ引き継がれてきたものだ。ふだん葬儀以外には
仏教儀式に接したことがない僕には新発見であった。不謹慎かもしれないが
僧侶の読経は立派なコーラスに聴こえた。こういった儀式をもっと大衆に浸透
できないのだろうかー。率直な感想である。