「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ガンの告知を受けたら・・・・・

2006-10-05 07:22:01 | Weblog
僕は自分を”晴れ男”と思っている。何故か旅行したり、何かイベント
を企画すると、必ずその日は晴れるのである。科学的にはなんら根拠
のないことだが、老妻までが「あなたは”晴れ男”だから」という。僕も
いつか自分自身にそう言い聞かせている。

その”晴れ男”が6年前、膀胱ガンを言い渡され入院した。摘出された患
部は長さ1・5cmもあった。モニター写真でみると、まるでピンク色した
キャンデイのようにも見えた。手術の痛さの中でも、自分は患部さえ摘出
すれば治るのだと自身を暗示にかけた。”晴れ男”の性格は物事をいつも
前向きに好い方向へと考える。ガン即、死という考えはなかった。

一昨日、古い友人が電話で胃がんで入院すると言ってきた。声には元気が
なく、この世の別れのようであった。彼は僕が膀胱ガンで入院したことを
知らなかった。僕はつとめて明るい声で”ガンなって今や病気ではないよ”
と激励した。悩んだって治るわけではない。先日ラジオの深夜放送で”ス
トレスからガンになる”と聞いたばかりだった。

今から50年前の記録によると、米国の医師の90%は患者にガンを告知しな
かったという。それだけ当時はガンは不治の病であり死に至る病であった。
最近はどうだろうかー。僕の周囲にもガンを告知され、手術を受けた友人
知人がかなりいる。”病は気から”と昔からいわれてきた。ガンを告知されて
も深刻になることはない。”晴れ男”はそう信じている。