「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"慰安婦” 罪な中曽根「回顧録』

2007-03-04 05:29:22 | Weblog
中曽根康弘・元総理の「回顧録」が今、慰安婦問題をめぐる対日非
難案を検討中の米国下院に証拠として提出されるという。中曽根
「回顧録」というのは読んだことはないが、多分同氏が「終わりなき
海軍」(松浦敬紀著 1978年)の中で発言している、この部分をさ
しているものと思われる。

「3千人からの大部隊だ。やがて原住民の女を襲うものやバクチに
ふけるものも出てきた。そんな彼らのために私は苦心して慰安所を
つくってやった」

中曽根氏の軍歴をみると、彼は海軍短期現役(大學出あるいは大学
生が志願して海軍に入隊、将校として勤務した)出身主計将校(終
戦時は少佐)で、主として第二南遣艦隊所属の根拠地隊勤務だった。
上記中曽根発言をみると、彼は3千人の部隊を指揮したかのようだが、
一少佐が根拠地隊の大部隊を指揮することはない。どこの根拠地隊か
明記されていないが、海軍の将兵が現地女性を襲ったり,バクチばか
りしているほど海軍の軍規はゆるんではいなかった。

中曽根氏とのインタービューに基づいて、この本は書かれているが、
多分、著者の聞き間違いによる誤解と信じたいが、従軍世代の中には
自分の戦争体験をわざと誇張して語る人もいる。しかし、これがいったん
活字になるとあたかも真実として一人歩きしてしまう。

ご高齢で申し訳ないが、中曽根元総理、この「終わりなき海軍」の自分
の発言の真意を米国下院に伝えて頂きたい。さもないと、あなたを含めて
日本人は永久にセックスについての蛮人にされてしまう。