「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

金属泥棒 故買罪はなくなったのか

2007-03-05 06:33:05 | Weblog
火の見ヤグラの半鐘から公園のステンレス製滑り台まで金属泥棒が
あとを絶たない。この最中に警察庁が昨年度の金属盗難が5,700件、
被害額は20億円と発表した。これを見て、金属泥棒が今に始まったの
ではなく昨年から多発していたのを知った。不思議なのは、こんなに
事件が起きているのに犯人が捕まったというニュースがすくない。
警察力が弱くなったのか、他に理由があるのか。昔は盗品を買えば、
故買罪で逮捕されたものだが、今は故買罪はなくなったのかー。

金属泥棒からの変な連想だが、少年時代の金属供出を思い出した。昭
和16年、国家動員法による金属類回収令が実施された。家庭で使って
いた鉄ビン、火鉢、箪笥の取っ手、蚊帳の釣り手まで供出された(今は
なくなったものばかりだ!)僕ら子供も馬蹄形の赤い磁石に紐をつけ路上
の鉄粉を集めて歩いた。東京にもまだ路上に馬糞があった。

今、横行している金属泥棒は北京五輪を控えて金属価格が高騰している
のを狙ったものだという。では1964年の東京五輪のときはどうだったのだ
ろうかー。金属泥棒など聞いたことはなかった。40年前の日本の犯罪発
生率はすくなく、犯人検挙率は世界ナンバー・ワンだった。凶悪犯罪だけ
ではなく、お墓のお線香台の金属まで盗まれる”せこい”犯罪も増えてきた。
昔は立小便防止に鳥居の絵を描いただけで効果があった。罰当たりには罰
の治安回復を望みたい。