「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

東国原知事の英語に想う

2007-03-16 06:31:59 | Weblog
東国原宮崎県知事の外国人記者クラブでの会見をテレビで垣間
見た。率直な感想。”なかなかやるんじゃないか”と”この程度の
英語か”とがあい混じったものだった。僕らの世代では、まず人前
で原稿なしにしゃべれる者は皆無にちかい。一方、戦後60年英
語改革が叫ばれ、話す英語、聞く英語に力がいれられたと聞いて
いるが、多分知事には失礼だが、知事の英語は今の大學出の平
均的英語力だろう。

僕が大學を出たころは英語教育の曲がり角だった。”オノケイ”で
代表される読解力中心の英語から”カムカム・イングリシュ”の話
す聞く英語への転換期だった。”オノケイ”は小野啓二郎先生で、
先生の「英文の解釈」は984版、150万部を売った。一方”カムカ
ム・イングリシュ”は戦後の焼跡に流れたNHKラジオの会話レッス
ンであった。

戦後の中学校英語の教科書「Jack and Betty」は、戦前の”This is
a pen"的英語から平川唯一先生の”カムカム・イングリシュ”への転
換をはかったものだったと思う。しかし、正直いって日本人の話す聞く
英語力は一向に上達しない。

中学校英語教師の四分の一、高校教師の二分の一が実用英語技
能検定(英検)準1級の資格を持っていないという。別に試験を義務
づけてはいないが、英語を職業としているならば、挑戦してみてはど
うだろうかー。日本人のシャイな性格、”奥ゆかしさ”が外国語の上達
を妨げているという指摘がある。僕もそうだと思う。その意味で東国原
知事に拍手。