「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

孫の制服

2007-03-27 07:14:45 | Weblog
風邪でダウンして早々と寝ていると、労妻が起こしにきた。孫が新
しい高校の制服を見せに来ているという。なんだかんだで10万円も
したと娘が嘆いていた制服がどんなものかの興味があった。玄関に
は、すでに180cmちかくある、孫が紺のジャケットに濃いグレイの
ズボン、金茶色のネクタイを締めて立っている。老妻にはその姿が
凛々しくみえたそうだ。祖父母バカもいいところだ。

戦中戦後に学生生活を送った僕らには、格別、制服には想い出がな
い。旧制中学に入学した当時(昭和18年)、中学生の制服は国防色
(カーキ色)の軍服、戦闘帽だった。戦後大學(予科)入学時は物資
がなく、制服どころではなかった。クラスの中には復員してきたばか
りの級友が旧将校服を着ていたり、アルバイト先の進駐軍キャンプの
作業服で通学していた。

そんな時でも若者はおしゃれをしたいものだ。戦前の旧制高校の”弊衣
破帽"のバンカラに憧れ、わざわざ学帽に靴墨を塗ったりする者もいた。
当時の学生はほとんどが学帽(角帽)を被っていた。学生が角帽離れした
のは昭和30年代初め頃か?

孫の制服姿をみて、改めてまた、よい時代だなーと思った。戦後はくズ
ボンがなく、教会の慈善バザーで当たった婦人用の布地で母親が急きょ
作ってくれたズボンをはいて登校した時の”十代の春”を想い出す。そ
れより、戦争中のあの国防色一色の時代だけはコリゴリだ。