”芝で生まれて神田で育った”江戸っ子ではないが、わが家も
かろうじて三代、東京には住んでいる。江戸っ子を評して,ケン
カ早い、宵ごしのカネは持たない、五月の鯉の吹流しなどという。
五月の鯉の吹流しにはハラワタがない、つまり腹に一物がない、
何でも自分の思っていることを言ってしまう。だから時には他人
に不快感を与えるーという意味のようだ。
ふだんは江戸っ子などと意識したことないが、時にはご先祖の時
代に郷愁を感ずる催事に出くわすことがある。例えば春(3月27,28)
秋(11月27,28日)二回、品川の旧東海道筋にある臨済宗海雲寺で
催される”荒神さま”のお祭りもそうである。
”荒神さま”は江戸時代から続く庚申信仰で、海雲寺ではこの日、所
蔵の千躰荒神像を御開帳するが、これがいつしか火と水を守るかまど
(台所)を守る信仰となり、さらに商家の”かまど起こし”の縁起と
結びつき人気を集めるようになった。
わが家でも年に二回”荒神さま”に詣でるしきたりである。きのうも老
妻と一緒に”老人パス”でバスを乗り継いで詣でた。東京ではここだけ
にしか売っていない”お釜おこし”(300円)や最近あまり目にしなくな
った豆いたや生姜糖を買い、消えてゆく江戸庶民の味にをしのんだ。今
さらお釜をおこす気はないが、せめてお釜をつぶさないようおさい銭を
あげ、手をあわせた。
かろうじて三代、東京には住んでいる。江戸っ子を評して,ケン
カ早い、宵ごしのカネは持たない、五月の鯉の吹流しなどという。
五月の鯉の吹流しにはハラワタがない、つまり腹に一物がない、
何でも自分の思っていることを言ってしまう。だから時には他人
に不快感を与えるーという意味のようだ。
ふだんは江戸っ子などと意識したことないが、時にはご先祖の時
代に郷愁を感ずる催事に出くわすことがある。例えば春(3月27,28)
秋(11月27,28日)二回、品川の旧東海道筋にある臨済宗海雲寺で
催される”荒神さま”のお祭りもそうである。
”荒神さま”は江戸時代から続く庚申信仰で、海雲寺ではこの日、所
蔵の千躰荒神像を御開帳するが、これがいつしか火と水を守るかまど
(台所)を守る信仰となり、さらに商家の”かまど起こし”の縁起と
結びつき人気を集めるようになった。
わが家でも年に二回”荒神さま”に詣でるしきたりである。きのうも老
妻と一緒に”老人パス”でバスを乗り継いで詣でた。東京ではここだけ
にしか売っていない”お釜おこし”(300円)や最近あまり目にしなくな
った豆いたや生姜糖を買い、消えてゆく江戸庶民の味にをしのんだ。今
さらお釜をおこす気はないが、せめてお釜をつぶさないようおさい銭を
あげ、手をあわせた。