「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

夭折する企業"戦士”たち

2007-03-17 06:10:36 | Weblog
きのうの朝、知人の奥さんから突然電話があり、ご主人が亡くな
ったという。まだ56歳の若さである。先日お会いしたばかりなの
に信じられない。彼は数年前、僕の本の出版を親身になって手が
けてくれた。自主出版なのに彼のお蔭で版を重ねることが出来、
今でも時々注文が来ている。葬儀の席上、奥さんから聞いた話で
は、彼は亡くなる数日前までガンの痛みをこらえながらも仕事をし
ていたのだという。

自殺した小児科のお医者さんが東京地裁の判決で労災と認定され
た。新聞によると、彼は連続32時間の勤務が4度、月に8回も宿泊
という超勤務シフトで、この過労から自殺したものと認定された。

省りみると、僕の周囲にもこのような犠牲者が多い。ケネデイ大統
領が暗殺された時代、僕は働きざかりの30代だったが、週に3回、
月に13回も宿泊勤務があった。仕事が時差の関係でどうしても夜に
集中する。大きな事件が起きると明け方まで仕事した。そして寝られ
ないので、そのあと屋台で酒を飲んだ。

その結果かどうかは判らないが、当時の仲間の死亡率が他の時代に
比べ突出している。僕より若い昭和29年入社の同僚が5人も早逝し
ている。偶然だが、5人は東京外国大学の出身者である。ベトナム戦
争当時のサイゴン特派員も2人若くして鬼籍入りしている。

仕事の手を抜けばよいのだが、抜けない性格の人もいる。ストレスが
死を早めたものと思うが、因果な仕事である。