「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       "李下に冠を整さない” 北朝鮮

2008-10-13 05:24:49 | Weblog
北朝鮮の共産党機関紙「労働新聞」が金正日総書記写真20枚を一挙に公開したと
いう。金正日の動静は8月14日以来、58日もはっきりしない。なぜ、この時期に大々
的に総書記の写真を特集するのか、僕らにはまったく理解できない。

北朝鮮の国花は李(すもも)だが、昔から中国の諺には”李下に冠を整さず”というのが
ある。李の木の下で、冠を整さなければ、果実泥棒と間違えられる。つまり他人か
ら疑われやすい行動はとるな、という譬である。20枚もの写真公開は総書記に何かあ
ったことの偽装かもしれない。

その昔、冷戦時代に「鉄のカーテン」「竹のカーテン」という言葉があった。「鉄のカー
テン」は英国のチャーチル首相が冷戦下、鉄のカーテンでシャットアウトされたソ連
圏を皮肉った言葉。「竹のカーテン」は毛沢東・元中国主席が”百家斉放百家争鳴”
を唱えながら外部からは、まったく中国内部の様子が窺いしれないことを言った言葉
である。

今の北朝鮮は「李のカーテン」(言葉は少しきれい過ぎるが)で、内部のことがわから
ない。ナンバー・ワンが生きているの死んでいるのかさえはっきりしない。李の花言葉は
忠誠、貞節、独立である。朝鮮人は本来、李の花のように白くて清楚な気持ちの持ち主だ。

金正日独裁下の北朝鮮は拉致問題を解決しない限り、テロ国家である。米国はテロ国家
指定を解除したが、これは彼らの倫理感かもしれない。”秋の終わりには調査を終える”
といったのは、どこの国だ。国内で何が起きているのか判らない国はテロ国家である。