「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           お産婆さんの活用は?

2008-10-26 05:04:09 | Weblog
東京で体調がおかしくなった妊婦が8病院で診察を拒否され、最終的に搬送された
「総合自産期母子医療センター」で脳内出血の手術を受けてなくなった。この長った
らしい名前の施設は、出産による母子の生命の危険を救う”最後の砦”ともいうべき
ものだという。悲劇である。悲劇の最大の原因は産科医の不足からきている。死亡
した妊婦が最後に搬送された病院の産科医の定員は8人なのに、この日(土曜日)
の当直医は1人だったという。

わが家の3人の子供は、近所のお産婆さんの手で取り上げられている。もちろん母子
ともに健全であった。3人が産まれた昭和30年代には、まだ東京にも町の電信柱など
にお産婆さんの看板がみられ、異常出産でない限り病院での出産は少数派であった。

いま東京では助産院の看板など見られない。わが家の孫2人も、”有名な”都内の総合
病院で産まれている。母親たちが一見施設の悪い産院を嫌うようになったのか、それと
も少子化で産院の経営がなりたたなくなったのかー。

平成16年の国の統計では、助産婦の数は全国で25、675人もいる。が、病院勤務が70
%、診療所勤務が16%である。昔のような”独立”したお産婆さんはいない。産科医を
”助ける”助産師”である。

産科医不足というが、助産師をもっと活用してはどんなものか。男女共同参画時代だが、
助産師は女性だけにしか許されていない。法で助産師に助産行為を許可しているのなら
男性にも助産師の門を開放したら、どうだろうか。