「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          後期高齢者の「体育の日」

2008-10-14 05:15:55 | Weblog
昨日は「体育の日」だった。東京五輪の開幕日の10月10日を記念して設定され、
長い間、この日に慣れてきた老人にとって、うっかりなんの祝日だか忘れるところ
だった。僕の「体育の日」は、朝のラジオ体操から始まった。会場の大学のキャン
パス跡には90歳の元艦隊勤務の軍医さんを始め、参加者の80%は60歳以上の
高齢者だ。確かにラジオ体操は身体にはよいのだが、後期高齢者になると、これだ
けで、それ以上の体育はない。

前期高齢者の頃は、僕は万歩計を腰にさげて一日に一万歩とまではゆかなくとも
五千歩は歩いていた。が、75歳を過ぎた頃から人並みに膝に痛みが出てきた。
歩きすぎとは思わないが、お医者に言わせると、やはり高齢者の”勲章”みたい
なものだという。

僕の少年時代は「富国強兵」の国策にそって子供も鍛えられた。昭和18年の東京
の中学校(旧制)の試験は、内申書と口頭試問と体力検定であった。友人の元大
学教授は秀才だったが、運動神経が鈍く、東京で最難関の学校を受けたが落ちて
しまった。僕も懸垂がだめで、母が買ってきた樫の棒を廊下の敷居に渡して練習をした。

”歩け歩け”運動も盛んで「歩け歩けの歌」(昭和16年ラジオ歌謡)ー。
      □歩け歩け歩け歩け 南へ北に歩け歩けっけ
       東に西に歩け歩けっけ 路ある道を歩け歩け
       路なき道を歩け歩け
日曜日や休日、東京の郊外は,強歩や行軍の家族連れでいっぱいだった。

11月3日に区主催のウオーク・ラリー参加のお誘いがあった。たった5キロですよ、と
いうことだが、後期高齢者には1キロでもきつくなった。寂しい限りだ。