関西のある大学の学長をされた大先輩から新しく出版された「コイン随想」という本を
頂戴した。先生は今年90歳、卒寿の”超”後期高齢者である。この世代は先の戦争
の従軍経験者が多く、時には僕ら昭和一桁世代より元気だ。
「コイン」は先生の専門ではない。趣味の分野だ。本業の研究のかたわら、数十年に
わたって蒐集してきた、今言葉でいえば"オタク”のコレクションである。出版された本
は、この"オタク”についての随想である。「コイン」にはまったく門外漢の僕だが、読ん
でみるとなかなか面白い。
例えば、ヨーロッパのサンマリノ共和国が昨年、天正遣欧少年使節を記念して発行し
た2枚1組の記念金貨である。5スクード金貨には神武天皇の肖像が描かれ、2スクー
ド金貨には神武天皇を祀る橿原神宮の外観が描かれている。今の日本人の中には、
橿原神宮はおろか神武天皇の名前すらしらないというのにである。多分、特定の蒐集
家に売りだされたものだろうが、誰がデザインを発想したのか興味ぶかい。
馬齢を重ねると、若い時に比べて気力体力それに財力がうせてくる。一つの道に集中
できなくなってくる。それなのに戦争生き残りの長寿の方は、なにか一つにこっている。
インドネシア協会の参与のI氏(88)もそうだ。インドネシア関係のどんな会合にも顔を
だし、写真を撮りまくる。そして、その写真を現像焼付けして相手にプレゼントする。これ
がI氏の生きがいなのだ。長寿の秘訣は頑固なまでに一つのことにこることかもしれない。
僕も頑固にブログを書き続け、これにあやかりたいものだ。
頂戴した。先生は今年90歳、卒寿の”超”後期高齢者である。この世代は先の戦争
の従軍経験者が多く、時には僕ら昭和一桁世代より元気だ。
「コイン」は先生の専門ではない。趣味の分野だ。本業の研究のかたわら、数十年に
わたって蒐集してきた、今言葉でいえば"オタク”のコレクションである。出版された本
は、この"オタク”についての随想である。「コイン」にはまったく門外漢の僕だが、読ん
でみるとなかなか面白い。
例えば、ヨーロッパのサンマリノ共和国が昨年、天正遣欧少年使節を記念して発行し
た2枚1組の記念金貨である。5スクード金貨には神武天皇の肖像が描かれ、2スクー
ド金貨には神武天皇を祀る橿原神宮の外観が描かれている。今の日本人の中には、
橿原神宮はおろか神武天皇の名前すらしらないというのにである。多分、特定の蒐集
家に売りだされたものだろうが、誰がデザインを発想したのか興味ぶかい。
馬齢を重ねると、若い時に比べて気力体力それに財力がうせてくる。一つの道に集中
できなくなってくる。それなのに戦争生き残りの長寿の方は、なにか一つにこっている。
インドネシア協会の参与のI氏(88)もそうだ。インドネシア関係のどんな会合にも顔を
だし、写真を撮りまくる。そして、その写真を現像焼付けして相手にプレゼントする。これ
がI氏の生きがいなのだ。長寿の秘訣は頑固なまでに一つのことにこることかもしれない。
僕も頑固にブログを書き続け、これにあやかりたいものだ。