「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         ジングルベルとサンタの煙突

2008-12-16 06:35:55 | Weblog
年々季節感が失われてゆく中で、今年は心なしか「ジングルベル」のメロディが
あまり街から流れてこない。世界的な不景気のせいなのだろうか。その反面、
家庭ののイルミネーションだけは派手になってきた。そんな中で昨日、僕は老人
会のコーラスで思う存分、クリスマスキャロルを歌った。気分はクリスマスだ。

戦前も僕が住んでいた東京でもクリスマスを祝った。サンタクローズが煙突から
入ってきて、枕元に靴下を置くと翌朝、プレゼントが入っていた。家には煙突が
ないのに、どこから入ってくるのか子供心に不思議に思った。わが家だけではな
く当時、東京では西洋の絵に出てくるような屋根の上に煙突がある造りの家など
少なかった。

戦後のある時期まで東京でも工場や銭湯などには煙突が建っていた。そして煤
で顔を真っ黒にした煙突掃除の人がワイヤーブラッシュを肩からさげ自転車で行く
姿を見かけたものだったが、今はその姿はない。考えればCO2をもろに呼吸して健
康に害のある職業であった。

昔、英語の時間で煙突は”chimny"と習った。が、後年途上国の技術研修の世話
をした時、工場の煙突は”stack"が正しいと指摘された。”chimny"だとサンタクロ
ースの連想から夢があるが”stack"では公害そのものだ。1970年代初め頃まで
札幌でも石炭を家庭で使っていて、空がどんより曇っていたのを覚えている。今でも
中国はそうらしいが、京都議定書完全履行への道は遠い。