「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    南瓜(かぼちゃ)と柚子(ゆず) 「一陽来復」

2008-12-22 05:18:12 | Weblog
家の中から踏み台が消えた。留守に泥棒にでも入れたのかと思ったら、隣の部屋に
住む娘が東京・早稲田の「穴八幡宮」から「一陽来復」のお札を頂いてきて、これを張
るために借りていったものだった。言い伝えでは、冬至の日に「穴八幡宮」のお札を
家の中の来年の恵方の方角の出来るだけ高い場所に張ると金運に恵まれるのだと
いう。参拝してきた娘の話では、今年は経済不況を反映してか例年より参詣客は多く、
1時間の行列だったそうだ。

東京に生まれ育って70余年になるが、僕は「穴八幡宮}に参詣したことはない。もとも
と敗戦ショックで、神も仏もあるものか、と信仰に薄い不届者世代であり、ご先祖は”高
楊枝”階級。金運なんかには関心がない。

僕は冬至らしからぬ好天に誘われて近隣を散歩、スーパーで冬至ゆかりの南瓜と柚子
を買ってきた。南瓜は四分の一切れで298円、柚子は一個150円だった。南瓜を冬至に
食べると中風にならないとか、柚子湯に入ると風邪をひかないとかの言い伝えがあり、
子供の時は必ずしたものだった。が、ここ数十年は遠ざかっていた。

夕食に老妻手造りの南瓜料理を食べ、柚子湯に入ったが今一つピンとこない。南瓜料理
は食糧難時,亡母がつくった料理のほうが美味かった。柚子湯も今のユニットの小さなセ
ットでは興趣がない。やはり檜までゆかなくと木の桶である。過去への夢追い人の冬至の
一日であった。