「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            民主党 教育の再生は?

2009-10-05 04:58:03 | Weblog
毎年、秋の長雨のこの季節になると想い出すのは、敗戦の年の10月、第一京浜国道
の旧品川区役所の周辺で焼跡整理をしたことだ。戦争に負けて2か月も経っていたの
に当時中学3年生だった僕らは学校の命令で動員された。しとしと冷たい雨の降る中
で、道端に積まれた焼けトタンなどを整理していると、ジープに乗ったGI(米兵)が可哀
相と思ったのだろう。ラッキーストライク(煙草)を投げてよこした。

もうかなり昔のようにも感じられるが、安倍晋三内閣の時「教育再生会議」が持たれ若
者の社会奉仕が提言されたことがあった。僕と同世代の作家、曽野綾子さんも、これに
賛意を示されていた。が、戦争体験のないグループから”徴兵制”に通ずるものだと反対
意見が出ていた。安倍内閣の終焉と共に教育の再生も終わってしまったのか、若者の
社会奉仕を言う者もいなくなった。

鳩山内閣は今のところ新政策の予算を生み出すことで忙しくはっきりとした教育理念が何
だか判らない。聞こえてくるのは公立高校の授業料の無料化とか教員の再免許試験反対
といった特定の組合団体の声ばかりだ。

僕らが動員された焼跡整理は今考えると、反対すれば反対できたのにと思う。でも働き手
は戦地から復員してこないし、そのまま焼跡を放置するわけにはいかない、と子供心にそう
思ったのであろう。高校の授業料の無料化もよいが、感受性の強いこの時期に一定の期間
社会に関心を持たせ社会奉仕させることもムダではないと思うのだが。