「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           "江戸”が残る町 両国

2009-10-16 05:24:46 | Weblog
昨日、両国の江戸東京博物館で開催中の「よみがえる浮世絵ーうるわしき大正新版画展」
を友人と見てきた。新版画とは江戸時代の浮世絵と同じ技法によって大正から昭和初期
に製作された木版画である。僕らがまだ幼児期だった頃の風景や人物を描いた版画もあり
なんともいえぬ不思議な気持ちに耽った。

今年は隅田川にかかる両国橋が出来て350年という記念の年に当たり、両国界隈は"江戸"
の匂いを求めて訪ねてくる観光客がいつもの年より多いらしい。「大江戸まつり」のフィナーレ
を飾って10月24日(土)25日(日)には、JR両国駅のまわりで、江戸あやつり人形、古典奇術
曲芸、ケン玉秘芸、土地ゆかりの相撲甚句などが披露される。

僕らは、少年時代の人気力士"弾丸巴潟”が開いた、ちゃんこ料理で舌づつみを打った後、
近くの回向院に参詣した。"振袖火事”で有名な明暦の大火で亡くなった10万人を回向する
ため将軍家綱が建てた古刹である。ここは大相撲発祥の地でもあり、明治42年、旧国技館
が出来るまで、勧進相撲が行われていた。境内には、それにちなんで物故した相撲取り、年
寄りなど関係者を祀った大きな「力塚」があり、その脇には相撲記者の慰霊碑まである。双
葉山時代記者をしていた僕の亡父の名前も刻まれていた。

境内の墓地には、山東京伝,竹本義太夫,鼡小僧次郎吉など歴史上の人物の墓もあるが、
なぜか墓前に花が捧げられていたのは、鳥塚、猫塚、犬塚などだ。僕らが訪れた日も、若い
女性がめだった。ペットブームのご時世である。