「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           外飲み”はソバ屋で

2009-10-28 05:34:34 | Weblog
馬齢を重ねると"外飲み”の機会がめっきり減り、このところ僕ももっぱら今流行り
の”家飲み”派になった。仲間との交流で情報を収集したり、上役の悪口を言う必
要もなくなってきた。自分のペースで飲むほうが健康にもよいし、何より経済的な
ことがわかってきた。

でも時には気のあった友人と"外飲み”するのも老人の精神衛生上よい。咋夕も4
時半というハンパな時間から40年来の旧友と横浜のゆきつけのソバ屋で、杯を交
わした。作家の池波正太郎が”まだたそがれには、少し早いがちょっとした肴で酒
を飲むのがよい”と、その楽しみを一文しているが、僕らの会も偶然いつもこの時間
から始まる。老人には夜遅くまでの酒はよくない、ただそれだけの事なのだが。

江戸時代からソバ屋で飲むのが通だとされている。昭和時代の通人、作家の山口瞳
もソバ屋で飲むのが好きで、肴には鴨南蛮のソバ抜きとか天婦羅ソバのソバ抜きが
好きだったようだ。僕は最初からもりソバをとり、そのほか"ちょっとした肴”で酒を飲む。
昨夕は「板わさ」に「がんも」を少々。

"家飲み”の方が肴が豊富だし、安上がりだが、”外飲み”は"外飲み”の良さがある。
年寄りといえども、同世代の情報交換は、やはり”あらまほしき”だ。それよりもお互い
に若く元気だった頃のバカ話をしながら、杯を交わすのが最高の喜びである。そういえ
ば、昨夕の席にも僕らと同年輩とおぼしき年寄りが何組か同じように酒を飲んでいた。