「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       放射能汚染食品の発表方法と海外風評

2011-07-10 06:10:49 | Weblog
インドネシアの首都ジャカルタから2,300㌔も離れたマルク州のアンボン港で、日本産の冷凍イカ1・8㌧が焼却処分にされた。表面上の理由は輸入許可証に不備があったというのだが、現地の検疫所長は”放射性物質で汚染されていた”と発表している。水産資源の豊富なインドネシアが、何故冷凍イカを輸入するのか判らない点もあるが、問題は日本の魚介類の放射性汚染の風評が、こんな僻地にまで広がっていることだ。

東京芝浦のト場で福島県南相馬市から出荷された牛肉から食品衛生法の暫定基準値を5倍も超える放射性セシウムが検出された。厚労省は福島県や隣接県に対し牛肉検査態勢を強化するよう指示した。このニュースを知り、僕は消費者の一人として、日本の国内の食品に対する放射能汚染検査体制が、しっかりと機能しているのかどうか、素朴な疑問を抱いた。

3・11の大震災による福島原発以後、被災地やその周辺地での野菜やきのこなどが暫定基準値を越えたとの理由から出荷停止になったり、その後解除になったりしている。東京でも一時水道水が基準値をオーバーしたとして乳幼児にペットボトルが配られたことがあった。神奈川県の足柄茶からセシウムが検出され出荷停止になっているが、同じく検出された静岡茶はどうなっているのか。正直いって消費者は厚労省のHPをざっと見ただけではわからない。

日本国内ですらこうなのだから、海外が日本の食材について風聞から敬遠するのは残念ながら当たり前だ。せっかく寿司など日本食の評判がここ数年高まってきたのに、この風聞で海外の日本食レストランは大打撃を受けているようだ。震災復興構想会議でも、日本の食材に対する海外での風聞被害を早急に除くよう提言している。それには日本の消費者でも解かりにくい厚労省の今の放射性汚染検査やそれに伴う措置をわかりやすく改善してもらいたい。