「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       ラジオ体操が禁止されていた占領時代

2011-07-23 05:42:28 | Weblog
夏休みに入り、今年も町内会主催のラジオ体操が始まった。昨年は退院直後だったため遠慮したが、今年はなんとか参加できそうだ。この街のラジオ体操には、子供も孫もお世話になっており、もう半世紀もの歴史がある。住宅地の道を体操の時間だけ車を止めて行うのだが、その整理には80歳のお年寄りも出て、文字通り町ぐるみの催しだ。

NHKのラジオ体操は昭和3年から始まっており、日本人なら誰もが夏休みにやった想い出がある。僕も戦争中だったが、学校の校庭のラジオ体操に参加した。首からさげた参加カードに「出」のスタンプを押してもらい、最終日にご褒美のノートや鉛筆を貰うのが何よりの楽しみだった。当時のラジオ体操の歌はー
            踊る旭日(あさひ)の光を浴びて 屈(ま)げよ伸ばせよ
            吾等(われら)の腕(かいな) ラジオは叫ぶ一、二、三
であった。

このラジオ体操は敗戦後の昭和21年から25年まで中止されている。正式に調べたわけではないが、多分占領下、連合軍の命令か、あるいは遠慮してかの措置だと思う。あの時代はおかしな時代であった。剣道は”しない競技”と改名させられた。多分、ラジオ体操も"旭日”が"旭日旗"を連想させ、それで禁止の対象になったのかもしれない。

今でも、ある一定の大人たちの間には、ラジオ体操を嫌う世代がいる。多分占領期に教育を受け、夏休みのラジオ体操の想い出がない世代ではないかと思う。リーダーが前に立ち号令で行われると誤解しているみたいだ。彼らは、ラジオ体操の効能は理解していても、皆と一緒にする体操の輪には入らない。
(写真は老妻と二人の参加カード。昔に比べてカラーフルだ)