「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          お米屋さんで古米が売れている!

2011-08-05 06:35:16 | Weblog
お米屋さんで異変が起きているという。わが家とは駅の反対側の商店街にある”五つ星お米マイスター”を称する店の主人によると、例年この季節になると、特定銘柄の新米の予約が入るが、今年はなく、逆に古米に対する注文が多くなっていると、テレビで語っていた。風評の原因になりそうだが、消費者の中には農水省が新米に放射能汚染検査をするという発表に過剰反応しているみたいだ。

農水省の発表によると、今年の出来秋のお米について放射能暫定基準値を越えているかどうか、二段階にわたって検査し、超えている場合には、生産地の市町村に対して出荷停止を指示し、全部廃棄処分にするという。検査の対象地域には新潟、宮城の米どころを含む東日本の14都県が入っている。汚染がないと期待しているが、肉牛のようなケースもあって予断は許せない。

専門家によると、お米の汚染部分は、あるとすれば玄米部分であり、精米して白米にし、さらに炊飯すれば健康には害がないはずだという。しかし、消費者にしてみれば、これまでの政府の放射能汚染に対する食品の行政対応にとまどっており、政府がその安全性をよほどきちんと、はっきりと示さないかぎり、新米離れの風評にもなりかねない。

戦中、戦後の食糧難時代、都会ではお米は玄米で配給になった。精米施設が足りなかったのが原因だが、家庭ではこれを白米にするため、玄米を一升瓶の底にいれて棒で突ついて精米したものだ。わが家でもこれが亡母の夜なべ作業であった。時には、この”精米”から出てくるフスマを小麦粉に混ぜパンにして食べた。空腹で苦しい時代だったが、放射能汚染に悩むことはなかった。