「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         これでは英霊は静かに眠れない

2011-08-16 06:01:29 | Weblog
「終戦記念日」の昨日、老妻と一緒に九段の靖国神社を参拝した。僕も老妻も親しい親族に戦没者は出ておらず、長く東京にいてもこれまで終戦記念日に詣でる機会がなかった。

66年前の、あの日と同じように東京の空は晴れており暑かった。地下鉄の九段下駅から外に出ると、靖国神社周辺は、僕らが想像していた以上のものすごい人出である。入り口の大鳥居前には、政治団体ののぼりが立ち並び、ビラを配布する人々で一杯。これを取り囲むように警察官が警備の輪を固めている。

本殿までの参道の両側には日の丸と軍艦旗があちこちにはためき、軍服まがいの制服を着た若者の行列姿も目立つ。本殿横の参道横では、靖国神社奉賛会とおぼしき団体が、参拝をまるで阻むように大観衆を集めて演説会を開催している。僕ら夫婦は参道脇の横道を通り本殿前にたどり着いたが、行列で前へ進まず、止むをえずここで頭をさげ引上げた。

ちょうど「玉音放送」のあった正午近くであったこともあろう。こんな騒然とした空気の中では、戦争で国家のために亡くなられた英霊に対して、静かに二拝二拍一拝して感謝する雰囲気ではない。

新聞によると、民主党は菅総理以下全閣僚が参拝拒否を公言、一方自民党は総理時代には8月15日に参拝しなかった阿倍氏が参拝、2006年の総裁選挙では三つの公約にしていた谷垣氏が、公約を破って参拝していた。8月15日に靖国神社を参拝すべし、と憲法に規定があるわけではない。参拝するかどうかは個人の問題である。政治家たちが政争の具にするから、本来は静かに英霊を想う日の靖国神社が、騒然とした場になってしまっている。。これでは英霊は静かに眠れない。