「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       笹子トンネル事故 高度成長時のインフラ構造物

2012-12-03 07:54:03 | Weblog
山梨県大月市から甲州市に抜ける中央高速道トンネルで起きた天井コンクリート板の大規模な崩落事故は痛ましい。天井板の落下は120㍍に渡り、車3台が下敷きになって9名が亡くなっている。事故の原因については、これからの調査によって明らかにされようが、この天井板が昭和52年トンネル開通時のもので、35年間、一度も変えられていないと聞き驚いた。

昭和52年という年は、僕にとって忘れらない。8月友人たちと伊達カントリーというゴルフ場でプレイ中有珠山が爆発,降灰の中を車でほうほうののていで帰宅した想い出がある。記録によると、この年の日本経済は回復基調にあり、公共事業への投資が拡大したとある。個人的にはついこの間のようにも思われるが35年も経過している。あのころは僕も若く一日に2ラウンドもプレイしたほど元気だったが、今は歩くのに杖の世話になるほどになってしまった。

事故の原因の一つに当然のことながら老朽化があげられている。僕はこの道の権威ではないが、長年の歳月で腐食が起るのは素人でも考えられる。しかし、高速道路を管理する会社によれば、今年9月の"目視検査”では異常がなかったとしている。この笹子トンネルの上り道は開通当時から渋滞が発生しやすく色々手段を講じてきた。それほど交通量の多いトンネルである。これも素人判断だが、大量の排気ガスによってコンクリートや天井を支える金具の腐食を速めたことはなかったのだろうか。

それより心配なのは現役世代の間に例の民主党マニフェストの”コンクリートより人”の考え方が潜在的にあるのではないかということである。この笹子トンネルだけではなく高度成長期に造った道路、橋、港などのインフラ構造物がそろそろ老朽化してきている。人間サマと同様長生きするためには、徹底した定期診断が必要である。”人”への配慮は周囲の安全から始まる。