昨日の日曜日、年賀状の印刷が出来たとの知らせでスーパーへ受け取りに出かけたついでにお歳暮コーナーをのぞいてみた。公務員のボーナス前なのか、それとも選挙が影響しているのか売り場は閑散としていた。現役を引退して20余年、お歳暮にはすっかり縁がなくなってしまったが、売り場に並ぶサンプルを見るだけで、今の人たちに何が好まれているのか、その傾向が判り勉強になる。
お歳暮とうと今は、贈り物そのものを指すようだが、昔はお歳暮周りという言葉があるように、年の瀬にあたってその年お世話になった人に直接出向いてお礼を言い贈り物を差し出す習慣のことを言った。戦前昭和の10年代の頃、子供だった僕は暮れになると、母親に連れられてお歳暮周りした記憶がある。残念ながら贈り物の中身は覚えていないが、風呂敷包みだったから、そんなに大きなものでも重いものではなかったと思う。wikepediaによると、お歳暮周りは暮れの13日から20日まで、新年を迎えるにあたって、それに合うような品々を贈ったとある。
お歳暮もすっかり様変わりした。今はデパートやスーパーへ行き品物を選び注文すれば自動的に配達してくれる。クール便という便利な制度もあって生鮮食料品さえ贈ることができる。30年以上前の話だが、テレビ局(民間放送)に勤めていた頃、外部の関係者からお歳暮の頃になると色々贈り物があったが、だいたい画一的なものが多く、老妻の話では当時頂戴したタオルがまだ屋根裏にあるという。
お歳暮も昔のように個人的にお世話になった人へのお礼というより企業同士の暮れの習慣の色彩が強くなってきたのだろう。亡き母が空っ風に吹かれながら、暮れの東京の街を風呂敷包みを抱えながらお歳暮周りをした姿が何か懐かしく想い出された。こういったお歳暮周りとか新年の挨拶といった伝統的な習慣は今や日本の社会から消えてしまった。