「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

お遍路路での”外国人排斥”騒ぎ

2014-04-12 06:43:38 | Weblog
四国のご遍路路88か所で”外国人排斥”が起きている、といったテレビの報道番組で見たような気がした。”ながら”での視聴なので”なんで、こんなバカなことをするのか?と思いつつ、あとでネットで確認してみた。すると、真相は若干ニュアンス的に、僕が思っていた、一方的な”外国人排斥”ではなくて、ご遍路に張られたハングル文字の道案内を剝がそうという抗議文書が休憩所に置かれてあり、その文言が韓国人を侮辱しているーというようなことである。

このハングル文字の道案内は88か所を4回もめぐり、ご遍路めぐりの「先達」の公認を得ている韓国人女性(38)が、韓国人観光客の便利のためにご遍路の各所にハングル文字のラベルを張ったのが騒ぎの発端のようだ。ラベルがどこに張られたのか、明らかではないが、一般の日本人にはハングル文字は理解できない。かりにお寺の建物や山門などに無許可で、これが張られていたら、抗議文書のように”礼儀知らず”の韓国人と思われても仕方がない。

ご遍路は元々は宗教的な行事だが、昔から観光的な色彩の強い庶民の楽しみである。残念ながら僕はまだ出かけたことがないが、JICAの研修旅行で外国人を連れ、何か所かの札所を訪れお茶のおもてなしを受けたことがある。しかし、その時の印象では、外国人に由緒などを説明する外国語の文書がなかったことだ。韓国人女性の先達は、おそらく善意からハングル文字の道案内を作ったのであろう。

スペイン協会の文化交流の会、ドンキホーテの集いで、世界遺産の巡礼路「サンティアゴ.デ.コンポテ―ラ」を2回徒歩で巡礼した日本人の話を聞いたことがある。その方は敬虔なキリスト教徒ではなく、全く観光目的で行かれたのだが、スペイン語が出来ない外国人でも十分、楽しめる旅だったそうである。四国88か所のご遍路についても世界文化遺産登録への動きがあるそうだが、今回の”外国人排斥騒動では、とても、とてもといった感じを受けた。