「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ベトナム戦争終わって半世紀近く、戦場だったダナンへ直行便

2014-04-28 06:30:43 | Weblog
大手旅行社から毎月、国外の旅行案内の立派な冊子が送られてくる。10年有効のパスポートの期限は2年残っているが、体調が果たしてどうかだ。しかし、まだ訪れたことがない地の写真を見るだけでも楽しいものだ。大型連休も始まったが、どこへ行く当てもない老妻と二人で、冊子をながめていたら、老妻が”ダナンってどこでしたか”と聞いてきた。今年からダナンと成田を結ぶ直行便が就航するというニュースが載っている。

ベトナム戦争(1960年―73年)当時新聞社の外信部記者だった僕にとってダナンの地名は忘れられない。トンキン湾事件に端を発した米国は1965年ダナンの地へ朝鮮戦争以来という海兵隊を上陸させ、本格的な介入を開始した。以来、海陸空からの激しい戦闘がベトコン(南ベトナム解放戦線]との間で展開された。ダナンは激しい攻防の地として毎日のように外電で流れてきた。

ベトナム戦争当時、同僚がサイゴン(ホーチミン)に特派員として派遣されたが、戦場の中での取材のストレスで1年の滞在なのに帰国すると髪が真っ白になっていた。あれから半世紀近くの歳月が流れているが、そのほとんどの「サイゴン特派員」が今はこの世にいない。

海外の渡航が自由になったのは1964年からだが、当時は”トリスを飲んでハワイへ行乞う”の時代で、日本人の海外観光は限られた地へ、限られた人しか行けなかった。いまはそうではない。とくに若い人には手軽に行けるアジアに人気があるらしい。ベトナムもその人気国の一つになっている。ダナンは、旅行案内をみると、すばらしいリゾート地に変容している。あの時代、日本でもベトナム戦争に反対し「ベ平連」平和運動が盛んであった。当時の若者も今や定年を終え、ダナンへ観光旅行にに出かけるかもしれない。