「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

衆院憲法審査会と”曲学阿世”の徒

2015-06-12 04:59:36 | Weblog
安全保障関連法案を巡る衆院憲法審査会は、本来の審議から離れて迷走しているみたいだ。テレビ中継がないので詳細は不明だが、新聞が伝えるところによれば、菅義偉官房長官がわが国の”合憲”学者数が200人と言ったのを100人と訂正したとか、これに対して民主党の辻元清美議員が”はっきりとした数字を示さなければ、法案を撤回せよ”と迫ったかどうかとか。まったく馬鹿げた論議だ。

審議が迷走してる原因の一つは、さきの審査会で参考人として呼んだ憲法学者三人が、自民.公明与党推薦の長谷部恭男氏(早稲田大学院教授)まで含めて三人が皆、審議中の法案は違憲だとの見解を示したことだ。民主党など野党は、ここを先途と廃案に向かって力づいてきた。

僕は一介の市井の徒だが、何故自民.公明与党が違憲説を唱える長谷部教授を推薦したのかー、また長谷部教授がこれを受諾したのか解からない。古い話だが昭和25年(1950年)、当時の吉田茂総理は、中ソ抜きの平和条約を主張する南原繁東大総長を”曲学阿世の徒”呼ばわりした。”曲学阿世”とは「真理を曲げ世間の人々の気になるような説を唱える人」(史記)(三省堂ことわざ辞典)

長谷部教授が”曲学阿世の徒”だかどうかは知らないが、自分が推薦を受けた背景を考えれば、国会で自分が”違憲説”唱えれば、どのように政治に影響してくるか判断できなかったのだろうか。彼を推薦した与党関係者が一番責任があるが、長谷部教授も軽率というか、言葉は悪いが”学者バカ”である。重箱のスミをつつくような論議は止め、わが国とっての安全保障が、どうあるべきかを真剣に議論して貰いたい。