「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

新国立競技場建設と五輪大臣の疑惑

2015-07-09 05:57:14 | Weblog
2020年の東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の建設費が2520億円で決まった。昨年5月の基本設計時は1625億円だったので、大きく予算は膨れあがった。その上、新競技場の目玉の一つであった開閉式屋根や1万5千人の仮設席設置費はこれに含まれていない。素人が見てもあまりにも杜撰なのに、予算案は有識者会議で了承されたようだが、文科省が現段階で確保している財源は600億円超しかないという。言ってみれば”見込発車”である。

開催まで4年余り、五輪担当遠藤利明大臣の腕の見せ所だが、その大臣の政治献金疑惑を新聞が報じている。遠藤氏の出身地山形県の選挙区の畜産加工会社の役員4人が計500万円、同氏の関連政治団体に「政治献金」していたことが、遠藤氏の政治資金報告書に載っていたとのことだ。遠藤氏は”個人献金であり、適正に処理していて問題はない”としている。しかし、時期が悪い。昔から”火のないところに煙はたたない””という諺もあり、”魚心あれば水心”ともいう。

五輪会場建設などを発注する事業体は、文科省外郭の独立行政法人の「日本スポーツ振興センタ―」(JSC)だそうだ。新国立競技場建設予算の”どんぶり勘定”をみて、果たしてこれで大丈夫なのかと思うのは多分、僕だけではないだろう。そこへきて、これを総括する五輪省のトップの大臣の疑惑である。国民が皆期待している東京五輪である。開催前からのこの騒ぎでは国際的にもみっともない。

第一次安倍内閣の時のスローガンは”美しい国日本”だった。しかし、それと裏腹に閣僚に疑惑があいつぎ短期内閣に終わった。五輪に向かって国民の気持ちを一つにする意味でも、ここは緊褌一番、五輪行政に大ナタを振るうべきではないだろうか。