「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

89歳 元気な秘訣は「蕎麦屋酒」

2016-05-07 05:53:24 | 2012・1・1
東京では江戸の昔から昼間、蕎麦屋で酒を飲むのを「蕎麦屋酒」と粋な飲み方とされている。長屋の大家のご隠居さんなどが、昼過ぎ,客の一段落した蕎麦屋へ出かけ一人でちょっぴり酒を楽しむことから来ている。半世紀も前、まだ若造だった僕は、妙に粋がって夜勤明け、神田まで出かけ「蕎麦屋酒」を試みたが、たしかに当時ご隠居さんとみられるお年寄りが一人御酒を召されていた風景があった。

連休の一日、その昔仕事上で知り合った40年来の友人から電話があり、横浜駅ビル階下にある飲食街の蕎麦屋を指定してきた。1年ぶり再会だったが、大学時代ラグビー選手だった彼は89歳にも拘らず元気だったが、さすがに腰を痛めて杖のお世話にはなっていた。現役時代、大手の広告代理店に勤務していた彼は食通で、特に蕎麦については精通している。、、

二人は若い時には”斗酒なお辞せぬ”大酒のみだったが、やはり、歳月には勝てない。二人とも「蕎麦屋酒」のご隠居さんになっていた。ビールで軽く乾杯した後、昔、二人が昔勤務していた福島県の地酒「奥の松」の一合ビンをそれぞれ注文、イタワサ、卵焼きを相手に、チビリチビリ。そして最後にかけそばで〆にした。

蕎麦は長寿によいと聞く。長生きしている友人の中にも蕎麦好きが多い。医学的に正しいかどうかは別にして、老人になれば若い時と比べて食は細くなり、あまり”あぶらっこい”ものを身体が受け付けなくなる。二人は1時間ほど、昔の話をし、現況を語り合ったが、二人の共通点は、まだ酒は飲んでいるが、薬はあまり飲んでいないことだ。