女性社員が過労から自殺したのがきっかけで広告業大手の電通が社員に違法な長時間労働させたとして厚労省東京労働局が電通本社などを家宅捜索した。マスコミ界では電通には、1950年代の社長の遺訓、”鬼十則”があり、社員が猛烈な仕事を課せられるが、一方では高給料で、学生には入社人気企業の一つとして知られている。
1960年代、僕は当時新聞労連から「残酷物語」と酷評されていた新聞社に勤務していた。今だったら労働基準監督法で摘発されたのは間違いない劣悪な勤務体制で、超過勤務しても手当は頭打ちであった。当時、僕は国際ニュースを担当する部門にいたが、時差の関係で深夜勤務が多く、週に三回も宿泊した。宿直室は粗末な二段ベッドで熟睡できず、僕はノイローゼ気味になり通院した。同僚の中には入院するものも出てきた。
一般社会と違って、新聞業界とか広告業界では、何時から何時まで定まった時間に仕事をするという職場だけではない。昭和30年代の初め、まだ社会部の駆け出し記者だった頃、喜劇タレントのトニー谷の息子誘拐事件で何日も続けて捜査本部にに寝泊りしたこともあった。広告会社の現場でもCM撮影など始めたら、手順などから定時間で終わることができない。僕もそうだったが、長時間勤務を課せられるというより、自分が好きで仕事をしていた。
難しい問題だが、生命あっての物種である。80歳半ばになって残酷時代を振り返ると、ほとんど皆当時の仲間は、若くして鬼籍入りしている。電通を初め大手の広告会社は、スポーツ選手を優先的に入社させる伝統があるそうだ。僕の年上の友人の一人も大学時代、ラグビーの名選手で屈強な身体の持ち主だ。体力に自信がなければ、広告業界には行かない方がよい。
1960年代、僕は当時新聞労連から「残酷物語」と酷評されていた新聞社に勤務していた。今だったら労働基準監督法で摘発されたのは間違いない劣悪な勤務体制で、超過勤務しても手当は頭打ちであった。当時、僕は国際ニュースを担当する部門にいたが、時差の関係で深夜勤務が多く、週に三回も宿泊した。宿直室は粗末な二段ベッドで熟睡できず、僕はノイローゼ気味になり通院した。同僚の中には入院するものも出てきた。
一般社会と違って、新聞業界とか広告業界では、何時から何時まで定まった時間に仕事をするという職場だけではない。昭和30年代の初め、まだ社会部の駆け出し記者だった頃、喜劇タレントのトニー谷の息子誘拐事件で何日も続けて捜査本部にに寝泊りしたこともあった。広告会社の現場でもCM撮影など始めたら、手順などから定時間で終わることができない。僕もそうだったが、長時間勤務を課せられるというより、自分が好きで仕事をしていた。
難しい問題だが、生命あっての物種である。80歳半ばになって残酷時代を振り返ると、ほとんど皆当時の仲間は、若くして鬼籍入りしている。電通を初め大手の広告会社は、スポーツ選手を優先的に入社させる伝統があるそうだ。僕の年上の友人の一人も大学時代、ラグビーの名選手で屈強な身体の持ち主だ。体力に自信がなければ、広告業界には行かない方がよい。