「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

小手先だけでない持続可能な年金制度を

2016-11-17 06:35:11 | 2012・1・1
”改正年金機能強化”法案が昨日の参院本会議で全会一致で採択された。年金生活に入って25年になるが”年金”制度ぐらい理解しにくいものはない。この法案の成立によって、年金(国民)受給資格が、これまでの25年から10年に短縮され、無年金者も10年支払えば、月額1万6000円受給される―というのが骨子である。これによって26万人が救済されることになるそうだ。

受給対象者には一応”福音”かも知れないが、国民の年金制度全体から見ると、あまり持続可能な年金制度の解決とは思えない。基礎年金1万6000円支給されたからといって、これだけで生活できるわけはない。国民年金.老齢基礎年金(平均支給額7万円)だけでは生活できない現行制度に問題があるのだ。

全国の生活保護受給者が年々増え2015年には217万人を数え、うち65歳以上の高齢者の割合が全体の45.5パーセントを占めている。老人6人に1人は生活保護を受けている勘定にもなる。国民年金だけでは生活できない。だから政府は”一億総活躍社会”の実現に向かってラッパを吹いているが、正直いって後期高齢者になると、活躍したくとも働けなくなる。

政府は小手先だけの年金制度の改正だけではなく、持続可能な制度を真剣に検討すべきである。それには消費税を予定通り実施して財源を確保すべきである。現在の国民年金制度の実状を見れば、若い世代は将来に希望をもてなくなる。さしあったって、団塊世代がすべて後期高齢者いりする2025年問題が控えている。多少、痛みがなければ問題解決にはならない。