「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

長門日露会談 眉に唾をつけて臨んでほしい

2016-11-22 05:35:56 | 2012・1・1
北方領土問題を含む平和条約締結について話し合う12月15日の日露首脳会談に先立って安倍総理とプーチン大統領がリマのAPECの会議の席上話し合った。現地からの報道は”好い話し合いが出来た”(安倍総理)”とか”日本側の8項目経済協力提案は素晴らしい”(プーチン大統領)といったバラ色の観測が多い。しかし、一方では、メチャクチャ満点の結果は望めない”(二階自民党幹事長)といった煙幕発言や”ロシアの食い逃げ”を恐れる観測もある。

日ソ平和条約宣言が調印されたのは、昭和31年(1956年)12月、ちょうど60年前の事だ。当時の鳩山一郎総理とフルフチョフ第一書記との間で、はっきりと平和条約締結と同時に歯舞、色丹は日本側に引き渡すと明言している。以来半世紀余を経て、両国で何回も交渉を続けてきたが進展はない。それだけ難しい問題である。

東京のロシア大使館の所在地の昔の地名は「狸穴」(まみあな)といった。江戸時代には雌狸の巣があったほど辺鄙な場所だった。昔から俚諺に”タヌキやキツネに化かされないよう、眉に唾をつけろ”と言われてきた。ロシアは冷戦が終わるまでソ連と呼ばれていたが、当時、庶民は駐日ソ連大使館を「狸穴」と呼び、事あるごとに右翼が街宣車が抗議かけていた。

戦前、女の子の毬(マリ)つき唄に”一列談判破裂して、長門の浦を船出して日露戦争始まった”といのがあった。安倍総理の故郷、その長門での”談判”である。談判が破裂されては困るが、したたかな”タヌキ”の国だ。化かされないよう眉に唾をつけて臨んで欲しい。