「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

気配りのSANTAの贈り物

2016-11-19 05:54:48 | 2012・1・1

昨日、知り合いの先輩(90)から三越伊勢丹グループが製造しているレトルト製品の「SANTAビーフカレー」(写真)が贈られてきた。毎年、お歳暮前のこの時季に、小ブログの”購読料”と称して贈られてくるが、その暖かい気遣いに頭が下がる。しかも「お歳暮」としてではなく「粗品」としてまでの心配りだ。

戦前、僕ら東京の子供たちは「ライスカレー」と「カレーライス」とを区別していた。家で母親が作ったり、駅前食堂など出てくるお皿に盛ったご飯にカレーがかけてあるのが「ライスカレー」で、ちょっと洒落たレストランでカレーが別の容器で出てくるのを「カレーライス」と呼んでいた。「ライスカレー」には、何故かお皿の端に福神漬けが添えてあって、東京では上野池之端の老舗、酒悦の製品が多かった。

今も昔もカレー.ブームで、スーパーへ行けば簡単に料理できるレトルト製品の花盛りだが、わが家では頂戴する「SANTAビーフカレー」の味が一番好きだ。戦前の「ライスカレー」の味がするのだ。僕には”お袋の味”がして昭和初期のの郷愁をそそる。

先輩は現役時代勤めていた三越の包装紙に包んで贈ってくれるが、東京の人間にとって三越の包装紙は高級品の象徴だ。戦前一つしかなかった地下鉄(銀座線)の「三越前」駅のプラットフォームのあのデパート独特の匂いがする。まだ軍靴の音ががあまり響いてこなかった時代の匂いである。早速、家族そろって「SANTA」の贈り物を美味しく頂戴した。