「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

五輪組織委の役割と森喜朗委員長の「遺書」

2017-05-12 06:13:09 | 2012・1・1
小池百合子都知事が昨日、官邸に安倍晋三総理を訪ね、懸案だった2020年東京五輪.パラリンピックの東京都外の競技会場の仮設整備費約500億円を都が全額負担する旨申し入れた。本来、五輪招致時での原則では、仮設整備費総額2800億円のうち2000億円を組織委は東京都などに負担して貰うことになっていた。昨年12月、組織委と国と都は、この点を確認し、3月末までに分担の大枠を示すことで合意していた。

五輪開催まで3年3か月、まだこんな費用の分担でもめているのかと驚いたが、それ以上にビックリしたのは、五輪組織委の委員長、森喜朗元首相(78)が最近出版した「遺書―東京五輪への覚悟」である。僕は先日、NHKの国会中継の中の無所属クラブ、松沢成文議員(元神奈川県知事)の総理へ質問で「遺書」のこと知ったが、松沢氏によると、森委員長は著書の中で。自分が肺がんにかかり、五輪まで生きているかどうかわからないと書いているそうだ。松沢氏ならずとも、こんな方に組織委員長の重職をお任せして大丈夫なのかと心配だ。

昭和39年(1964年)東京五輪の組織委員長は、安川財閥の御曹司、安川第五郎氏であった。僕の記憶では、安川氏はあまり、マスコミの話題にはならなかった。ひたすら経済界の広い顔を利用されて資金集めに回られた。五輪開催の功績により、安川氏は「旭日大勲章」を受賞されているが、晩年の安川氏の揮毫の文字は「至誠通天」だった。五輪開催当日、前夜まで東京は激しい雨だったが、雲一つない晴天になった。安川氏は自分の至誠が天に通じたとする自信であろう。

開催前から、パートナーのJOC会長や都知事の悪口を言っている森氏とは違う。「遺書」を書く前に開催成功に向けて誠意を国民に示すべきである。総理も都知事も政治家としての先輩に配慮することはない。「遺書」を書く前に本人が勇退すべきであった。