「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「正五九」の神社仏閣詣で

2017-05-29 05:34:57 | 2012・1・1
陰暦の一月、五月、九月に神社仏閣に参拝することを「正五九詣で」という。昔から耳にしていたが、はっきりとしたいわれは知らなかった。昨日、老妻が娘と一緒に近くの目黒不動尊の月例祭へ出かけたのを機会に、ネットの「検索」のお世話になって調べてみた。地域によって諸説あるようだが、昔の農耕と関係があるようだ。正月は年の初め、五月は田植え、九月は取り入れの季節で豊作を祈願した月だというのである。

加齢と共に信仰心が深まるはずだが、4年前、左膝に人工関節を入れてから、やはり長く歩くのが億劫になり、神社仏閣詣では一切、元気な老妻に任せはなしである。明治17年生まれであった亡父は、84歳で亡くなるまで、毎月1.15日には神棚に燈明を上げ、近くの神社へ参拝し、国家の安寧と一家の幸福を祈願していた。これにひきかえ、僕は神社の鳥居の前を通っても最近は頭も下げなくなってきた。

戦前、特に戦争中は同じ宗教でも神道が高揚された。僕ら東京の小学校6年生は昭和17年、関西へ修学旅行へ出かけたが、その名称は「参宮旅行」で、伊勢神宮、橿原神宮へは参拝しているが、法隆寺や京都のお寺は参拝していない。大東亜戦争が勃発した12月8日(昭和16年)にちなんで毎月8日は学校で特別な式があったが、その日の朝、僕羅は近所の神社を掃除したものだった。「正五九詣で」から昔の想い出をちょっと。

(写真は目黒不動尊本殿と境内の独鈷(とっこ)の滝。戦前は行者が滝で打たれていた)