「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

東京のお盆 ”酷暑残る玄関先迎え火もなく宅急便 ”

2017-07-14 05:33:53 | 2012・1・1
今、東京や横浜の戦前からの市街地はお盆の最中である。明治3年、旧暦(太陰暦)から新歴(太陽暦)に切り替わった際、東京、横浜、函館などの一部地域は、旧暦7月15日の盂蘭盆会(お盆)を、そのまま新暦7月15日で催すようになった。はっきりした理由は知らないが、多分これらの地には外国人居留地があったからかもしれない。

昨日13日は、その新暦によるお盆の入りだったが、わが家では、酷暑を気遣って僕ら夫婦に代わって娘が浅草の菩提寺に墓参に出かけてくれた。、しかし僕の記憶にある、戦前昭和のお盆の行事風景はなかった。あの時代、東京でもお盆の入りには、どこの家でも初物のキューリとナスで精霊馬と精霊牛を作り、玄関先でおガラ(麻の皮)を焚き、ご先祖の霊が迷わぬよう仏前に盆提灯を飾ったものだ。

盂蘭盆会はインドの仏教の教えと中国古来の「中元節」とが混じって日本に伝えられたようだが、わが国ではあまり、お盆とは関係なく「お中元」の贈り物が先行している感じである。しかし、わが家はすでに年金生活に入って四分の一世紀、社会との接点が少なくなり「お中元」も届かなくなった。人生はそれでよいのである。、

明日のブログの題材を考えながら、パソコンの前に座っていったら玄関の来客を告げるチャイムが鳴った。そこで作ったこともない一句。「残暑残る玄関先迎え火もなく宅急便」88歳の義兄の病気見舞いに送った、そのお返しの信州からの長寿の蕎麦のセットであった。