「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

オツムの毛が薄いお方の受難時代

2017-07-18 05:54:00 | 2012・1・1
豊田真由子衆院議員の秘書に対する暴言「このハゲーー!」がYou Tubeで流れ、テレビでも繰り返し流れている影響か、最近、幼稚園に通う子供まで、この言葉を面白おかしく使っているとネットにあった。何か作り話みたいでもあるが、早くも今年の流行語候補の一つだ。オツムの毛が薄いお方の受難時代である。

昔から禿げ頭やデブは蔑視言葉の一つであった。戦前昭和の時代、僕ら子供の間で”デブデブ百貫(約375キロ)デブ”で始まるしりとり歌があり、その最後は”電気は光る、光るは親父のハゲ頭”とあった。僕の長男が幼かったころ、祖父の頭をどこで覚えてきたのか”ハゲ叩いてカンでみよ新タクアンの匂いがする”とふざけていたのを想い出す。旧友の中に丸い傷跡のハゲがあるのを見て”五厘”ハゲと鹹かった。五輪とは大正から昭和の初期に流通していた銅貨である。

一方,ハゲ頭は何故か親しみやすい人物の代名詞でもあった。戦中から戦後のエノケン、ロッパとならんんで三大喜劇王と言われた柳家金語楼はハゲ頭を売り物にしていたし、昭和30年代、テレビの舞台中継で人気のあった大宮デン助は、わざわざハゲ頭のカツラをかぶっていた。ハゲ頭の人物が何か愛嬌のある親しみやすい人物だったのだ。

豊田議員のあの暴言を聞くと、とても選良の先生の声ではない。一流の大学を卒業されているようだが、もしかすると、一流大学で教わったのかもしれないが、テレビ局もいい加減、あの声を流すのをやめてほしいものだ。