「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「海の日」に松原保存運動を!

2017-07-17 07:26:05 | 2012・1・1
”海の恩恵に感謝、海洋国日本の繁栄を願って平成8年、国民の祝日になった「海の日」だが、国民の間で何故かなじまない。固定していた7月21日から”ハッピー.マンデイ”制の適用を受け、7月の第3月曜日になってから、ますますなんの祝日だかわからなくなってきた。この日に何か記念行事や祝典があるわけでもない。

海といえば、日本人の心のどこかに「松原」が浮かぶ。代表的な「海」を歌った童謡「われは海の子」「海」の二つにも「松原」が歌いこまれている。
♯ 「われは海の子}(明治43年 作詞 宮原晃一郎 小学唱歌)
  われは海の子白波の騒ぐ磯辺の松原に煙たなびく苫屋(とまや)こそわが懐かしき住家なり
♯ 「海」(大正12年 作詞作曲者不明)
  松原遠く消えるところ白帆の影は浮かぶ 干し網高く鴎は低く波に飛ぶ ああ昼の海昼の海

この松原の象徴的な存在、三保の松原(静岡県)と虹の松原(佐賀県)が絶滅の危機にあるという。とくに世界の文化遺産に富士山とともに指定されている三保の松原は1960年代から始まった安倍川の砂利採掘や砂防ダムなどの影響で海岸浸食が始まり、巨額な費用を投じて伝説、羽衣の松などが保存されている。富士山を背景にした松原がなくなったら世界遺産としての価値はどうなるのだろうか。

”奇跡の一本松”で知られる陸前高田市の海岸には德川時代から300年の歴史をかけて7万本の松が植えられてあったが、6年前の東日本大震災の津波でほとんど絶滅した。一本松の保存はマスコミの話題になるが、震災後の植林事業はどうなっているのだろうか。あまり意味のない「海の日」の休日に、全国運動として松原保存運動を提案したい。