「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

聖路加病院の日野原先生の死に想う 明治ははるか雲の上に

2017-07-19 06:06:24 | 2012・1・1
”生涯現役”の医師、国際聖路加病院の日野原重明先生が105歳で亡くなられた。明治44年(1911年)9月生まれだから正式には104歳10か月だが、人間ここまで健康寿命をまっとう出来るのは幸せな限りだ。先生の細かい年齢にこだわったのは、考えてみると周囲に明治生まれの方がだんだん少なくなってきたからだ、総務省の平成23年の推定によると、明治生まれは7万6千人おられたが、それから6年、高齢者の年間死亡者を考えれば、現在は1万人をきっているのではないだろうか。書類にある誕生日の略M,T,S,HのMが無用になる日も近い。

”降る雪や明治は遠くなりにけり”-は俳人の中村草田男が明治時代卒業した東京の小学校を再訪したさい詠んだ句だが、調べてみると、その時からすでに86年経っている。光陰矢の如しというが、来年は明治150年だという、つい先日、明治100年(昭和43年)を祝ったばかりと思っていたが、あっという間の50年である。

平成生まれの若い世代にとっては、はるか雲の上の時代になりつつあるが、戦前、明治天皇の誕生日11月3日の「明治節」に”亜細亜の東、日出ずるところ、聖の君の現われまして”を歌った僕ら世代には、明治の御世に生まれた先人たちが少なくなってきたのは寂しい。来年の明治150年記念事業の一環として「明治節」の復活を提案したい。同時に明治生まれの方々に、明治、大正、昭和、平成四代を生きられた記念品を贈呈してはどうだろうか。