「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

韓国映画「軍艦島」の虚妄に抗議を!

2017-08-02 05:15:59 | 2012・1・1
戦争中、長崎港外にあった端島炭鉱に韓国から動員され、強制労働された徴用工を描いた韓国映画「軍艦島」が今、韓国内で上映され反響を呼んでいるそうだ。映画は過酷な労働に耐えきれず、島から脱走を計ったとされる徴用工400人の虚妄な話を描いているとのことだ。公開前から韓国では評判で、40万枚の前売り券が売れ、ポータブルサイト1億を記録しているという。

現地からの報道では、この映画は世界113か国で上映される予定だが。今のところ日本ではその予定はない。これについて先日、菅義偉官房長官は記者会見で”史実を反映した記録映画ではない”として、政府が抗議するかどうかコメントしなかった。

韓国とは2015年12月の慰安婦に関する”最終的、不可逆的合意”で、未来志向で交流することで合意している。にもかかわらず、韓国政府はソウルの日本大使館前の慰安婦像は撤去せず、新たに釜山の総領事館前に新設、文在寅大統領は、合意それ自体についてまで見直しを示唆している。そこへきての「軍艦島」の上映である。未来志向に水を差すものばかりだ。

端島島民の有志が映画は史実に悖ると抗議しているが、例えば昭和19年(1944年)8月の動員令の改正で、日本人(半島居住を含む)の男性は12歳から60歳まで、女性は12歳から40歳まで勤労動員が決まり、当時旧制中学3年だった僕も軍需工場へ学徒動員され、同学年の国民学校高等科生徒は「徴用工」の名前で工場、鉱山、炭鉱へ動員された。従って、端山炭鉱で働いていたのは12歳以上の少年であって合法的な労働である。

菅官房長官はコメントを控えているが、これは間違いである。明らかに2015年の「慰安婦」合意の未来志向の精神にもとる。慰安婦問題が、「挺身隊」についての韓国の誤った歴史認識から始まったように、韓国では「徴用工」の誤った歴史認識が独り歩きし、この「徴用工」像が「慰安婦」像と同じようにつくられようとしている。黙っていてはいけない。