「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

終末期医療 自然死を選んだ96歳の知人女性の幸せ

2017-08-08 05:54:13 | 2012・1・1
昨日は暦の上では「立秋」だったが、東京は33℃と依然、真夏日が続き、秋が来た実感などない。しかし、「立秋」と聞くと人生80代歳代半ばを過ぎた僕には、なんとはなく”こしかた行く末”を想い、寂寥感みたいな思いを感じる。そんな生活の中で、今朝一番でメールを開いたら、親しくおつきあいさせて頂いてる旧友(故人)の夫人とから残暑見舞いが届き、実姉が希望通り老人ホームで皆に看取られて96歳の幸せな人生を終えたと知らせがあった。

知人の女性のお姉さんは、高齢により、老人ホームから病院に送られ治療を受けていたが、お元気な時から人工呼吸器や胃瘻(いろう)といった延命治療は受けたくない。最後は長年お世話になっている老人ホームで送りたいという意思を夫人に伝えていた。夫人の実家は親しい親族がすでに皆亡くなり”絶家”状態なので、お姉さんにとって老人ホームが最後の棲み家であった。

高齢化に伴い、終末期医療のあり方がこのままでよいのか社会問題になっている、厚労省ではこれを受けて今秋、医療、介護関係者など2万5千人を対象に意識調査をするという。昨年も義弟が胃瘻手当を受けている姿を見舞った。現役時代の旧友が人工呼吸器器でやっと生きている憐れな姿も見ている。人間の生命倫理に関する問題であるが、僕も老妻も延命治療は望んでいない。

終末期治療については、まだその在り方が徹底していないため、本人の意思に添わない治療が行われているケースが多いようである。医療費削減ではなく、人間の尊厳の問題として事前の本人の意思表示は、もっと啓発が必用である。