「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

書店の閉鎖と通販商法

2017-08-26 05:38:50 | 2012・1・1
新刊書店を扱う書店が一日に一軒の割で閉鎖しているという情報を聞いた。まさかと思ったが、ネットに”書店閉店情報”というサイトがあり、これに毎日全国で閉鎖した店名が載っている。これを見たら今年8月1日から25日まで閉店した書店が31店も掲載されていた。たしかに一日一店の割で店を閉じている。少し古い資料だが、1994年、全国に222、000店あった書店(新刊)が2014年には137,000店に減少しているという記録もある。だから、ここ1,2年の傾向ではない。IT革命で日本人の活字離れがここまで浸透してきているのだ。

ところが、一方ではこんな現象もある。知人の女性が10年近く前、自主出版された、保育の歴史に関する本が、通販で出版時の値段の10倍以上の値段がついている。僕が2002年に同じく自主出版した「大東亜戦争とインドネシア」にも14、980円という値段がついている、と知人に指摘され驚いたことがある。必ずしも、活字離れだけで本屋さんが閉鎖する原因とは思えないのだが。

問題は、昔ながらの本屋さんの立地や商法にも原因があるのではないか。昔、本屋さんといえば、駅前や繁華街の中心にあったものだ。IT革命前は、どこの店も客でこんでいたものだが、今はあまりこの風景は見られない。これでは高い地代や店料を払ってでは、商売にならないに違いない。それに書籍流通業界には、昔ながらのしきたりがあり、これが足かせになっているという話を聞いたことがある。

町から本屋さんが消えてゆくのは寂しい。特に戦前昭和の頃、毎月「少年倶楽部」の発刊日にいち早く本屋へ駈けつけた世代にとってはたえがたい。なんとか、本屋さんが町に残る道はないのだろうか。